ミュージカル MOZART!

脚本・歌詞/ミヒャエル・クンツェ
音楽/シルベスター・リーヴァイ
出演/中川晃教 木村佳乃 市村正親
    山口祐一郎 高橋由美子 香寿たつき 

「モーツァルト!」は1768年のウィーンが舞台ですが、1人の天才作曲家モーツァルトだけは現代の若者風に描かれています。大司教の権力の下で仕事をしなければいけない天才作曲家の苦悩が伝わってきて、今の若者と同じようにいつの時代でも人が生きていくことは大変ですね。父親はコロレド大司教の権力の下で安全な生活を求めているのに対し、モーツァルトは自由を愛し、純粋であるがゆえに苦悩します。親子の人生観の違いは今も昔も変わらないのですね。ウェーバー夫妻との出会い、コンスタンツェの両親のお金への執着なども彼を悩ませ続けます。でも父親の反対を押してついにウィーンに行き、オペラ「魔笛」を作曲して大成功を収めます。

中川晃教さんがとにかく若くて情熱的でとても魅力的なモーツァルト!今風のTシャツと破れたGパンの上に長いローブ姿で全身全霊でモーツァルトの喜びや苦悩を表現して素晴らしかったですね。「僕こそ音楽」他素晴らしい歌の熱唱の数々‥。感動しました。‘僕は神様の次にお父さんが好きだ’というせりふは印象的でした。そして木村佳乃さんの美しいコンスタンツェも惚れ々しました。井上芳雄・西田ひかるさんのコンビも観たかったです。ウィーン行きを勧める時に歌った伯爵夫人、香寿たつきさんの「星から降る金」は聴かせてくれました。メロディーも歌詞も素敵。コロレド大司教の山口祐一郎さんは貫禄十分でしたね。ダイナミックなお歌と堂々とした立ち振る舞いはさすがです。姉役のナンネールの高橋由美子さんは笑顔がとてもチャーミング!父親レオポルドの市村正親さんは台詞が魅力的でステージマナーも立派です。そしていつもモーツァルトの影の存在、神童アマデウスを演じた黒沢ともよちゃんも見事でしたね。衣装も舞台もとても美しかったです。

モーツァルトの死因は未だに明らかになっていないのですが、彼は死して名曲を残したまさに不出生の天才です。モーツァルトは音楽を愛する人たちにとっては特別な存在です。ショパンがピアノの詩人なら、モーツァルトは天上の音楽、安らぎの音楽ですね。名曲とは人々に生きる勇気と希望を与えてくれる神様からの贈り物だと思います。久しぶりのミュージカルでしたが、今回ラッキーにも前々日の電話で予約出来ました。ほぼ満席で人気の高さが伺えますね。

宮廷女官チャングムの誓い39〜43話(全54話)

監督/イ・ビョンフン
出演/イ・ヨンエ チ・ジニ ホン・リナ
    キョン・ミリ イ・セウン 
    イム・ヒョンシク イム・ホ

(39)ヨリの企み
皇后にメギリチョンビを食べたいと頼まれたチャングムは料理を持っていくと、クミョンも同じ料理を運んで来ます。チャングムの料理を喜んで食べる皇后を見てクミョンはやっかみます。心労が重なるとカン・ドック夫妻のところに戻って骨休みをするチャングム。その頃村で疫病が発生します。ヨリはチャングムに皇后に薬を持っていくよう命じ、急病人を診察できなくしたり、部屋に置いてあった手引書を隠して窮地に追い込みます。二人が言い争ってるところをシン教授に見られ、チャングムを疫病の町に派遣させます。しかしここでもヨリと手を組んでいるチョン・ユンスの策略で処刑寸前に‥。村ではオウゴンとオウレイが足らなくなり、町まで薬を買って村に戻ると村は閉鎖されています。これもすべてヨリの企みだったのです。チョンホが心配して村に駆けつけると、チャングムは村で一人ぼっちですわっています。
(40)疫病発生
‘ネイオンの医女仲間から見捨てられた。もうこれ以上は頑張れない’と泣くばかり。チョンホに‘今は人という壁を越えなければいけない時、弱音をはかないで’と勇気づけられます。村人にチョンホが殺されそうになると、‘私は医女です。薬をこの方に買ってきてもらいましょう’と咄嗟の機転で彼を助けます。宮中ではヨリがクミョンにチェ・パンスルの薬剤の権利が欲しいと願い出ます。チョンホが戻らないのに怒った村人は村に火をつけてチャングムを納屋に閉じ込めてしまいます。チョンホは寸前のところでチャングムを助け出し二人は抱き合って愛を確かめ合います。チャンドクは疫病の伝染の仕方がおかしいことに気づき調査を始めます。そして野菜から発生した食中毒と判明します。しょうが汁を病人に飲ませると快方に向かいます。宮中に戻った三人はこのことを報告して、病気の野菜が宮中にも収められていると告げると、チェ女官長は‘信じられない、私が食べて確かめる’と自ら実験台になります。
(41)ヨンセン懐妊
女官長に食中毒の症状が現れ、チャングムが針治療をする時、母やハン尚宮の死が脳裏をかすめますが、手首に針をさして事なきを得ます。やがてヨンセンの懐妊が明らかになり、皇后からヨンセンに淑媛(スグォン)の称号が与えられます。面白くないのがクミョンと女官長。淑媛は担当をチャングムにと希望しても、ヨリが担当医に‥。ヨリ、クミョン、女官長は淑媛の流産を計るのです。ヨリは淑媛に頭痛、肩凝り、めまいがあるので、牡蠣、牛乳、卵などを毎日出すように命じます。やはり不安な淑媛はチャングムに自分の症状を聞いてもらいます。母は大変な難産でとても不安であること、横になっていても頭痛、めまいがすることを聞いて不審に思ったチャングムはシン教授に血虚と風熱の違いを尋ねます。風熱の患者は妊娠が危険で牡蠣や牛乳を食べ続けると発作が起こり、胎児はまず助からないと聞いてチャングムは驚きます。
(42)王の病
シン教授はヨリにあのような食事を出したこと、風熱の知識は当然あるものと叱ると、自分の診断が間違っていたと誤ります。この事件をきっかけに黄流鴨事件を調べたいチャングムは王の病気日誌がある内書庫の出入りを希望して、やっとの思いで皇后殿から許可が下り、日誌を足袋に隠してチャンドクのところへ持って行きます。何度も何度も‥。クミョンはチョンホを呼び出し‘あなたのために作った最後のお料理、召し上がってください’と叶わぬ想いを打ち明け泣きながらチョンホと別れます。ひとりの男性を愛し続けたクミョンも哀れです。日誌の写しを終え、内書庫に本を返しに来たチャングムは内待府(ねしぶ)の役人に捕まってしまいます。何も答えないと、役人は密かに始末をするように命じます。その時長官がやって来て‘命が惜しくないのか?’と聞くと、‘命など惜しくない、ハン尚宮の恨みをはらしたいだけ’とチャングム。今回だけは長官に免じて助けられます。
(43)皇后の決断
長官の計らいで釈放されたと聞くと女官長は腹を立てます。自分の知らないところでチャングムが行動するのが気に入らないのです。やがて王の病気は傷寒症と診断されます。皇后は王の病状が思わしくないので心配なのですが、王の薬を煎じているのはヨリです。王は以前より病の回復が遅くなっていたのです。その頃皇后は王の日誌流出の事件を知り、チャングムを処分せよと命じます。チャングムは何の真相も明らかにできなかったことをハン尚宮に泣いて詫びます。ずっと具合の悪かった王は倒れ、スラッカンの責任者のクミョンは取り調べを受けることに‥。捕らえられているチャングムの前に皇后が現れ、‘自分の信頼を裏切ったので処分は当然、でも王の病気は誤診なのか?もしそうなら真相をつきとめよ。つきとめられれば宮中に戻してあげよう、出来なければ処分する’と詰め寄られます。

どんな社会でも権力争いはありますが、医療の分野にヨリやチョン・ユンスのような人がいるのは許せないですね。直接人の命に関わる仕事なので医者は賢い以上に人間性が問われる分野です。ところでチャングムとミンさまの愛情がひとつひとつの出来事の中で深まっていく様子が素晴らしいです。ふたりの生き方や愛情はまさに理想像ですね。なかなか現実は彼らのようにはいかないですが、理想がなければこの世は闇ですから‥。自分の志した道の中で理想を追うことはとても大切だと思います。


サントラ 宮廷女官チャングムの誓い

作詞 作曲/イ・シウ イム・セヒョン
歌/アレサンドロ・サフィナ 
  キム・ジヒョン ペク・ポヒョン 
  キム・スルキ

NHKBS2で放送されている宮廷女官「チャングムの誓い」のサントラです。やっと購入できましたので紹介します。全部で18曲収められています。作曲家イ・シウさん、イム・セヒョンさんの共同作業です。主な曲を少し解説します。
@ 高原 コウォン
ヴァイオリンの美しいメロディーで始まるこの曲はチャングムが昔を懐かしんだり、物思いにふける時に良く流れてきます。
A蒼龍 チャンリョン
大長今と金色の文字と共に始まる荘厳なテーマ曲は何度聴いても感動します。波乱に富んだチャングムの生涯を象徴するようなヴァイオリンのメロディーが印象的です。放送は導入部だけが流れますが、5分余りの聞き応えのある曲です。
BHamangyeon ハマンヨン
チャングムが疫病の村に取り残された時にミンさまが助けに来て、二人が抱き合う時に流れます。歌はAlessandoro Safinaでオペラのアリアのように美しい曲です。‘この世の争いのむなしさの中で一筋の光はあなたとの愛、どんなに自分が望んでも報われない世界、望みなき愛’と歌詞もとても幻想的です。
Eヨンパップ
チャングムとハン尚宮が見事な手さばきで料理をしている時に良く流れます。日本民謡にも通じる軽快なリズムとメロディーがとても親しみ易いです。
G懐夫歌T フェブガ
オナラ、オナラ、アジョ オナ〜♪日本人にはインパクトのある歌詞ですね(笑)‘こちらにおいでくださいと言ったとしても、本当に来てくださるのでしょうか。あなたの愛は私の思うとおりにはならない。来ることができないのなら、私を連れていって’と愛する切なさを歌っています。幼い歌声が心に響きます。4曲目、18曲目はバージョンを変えて歌われています。
K短歌 タンガ
ピアノで始まる物悲しいメロディーはまるで韓国ドラマの「冬のソナタ」や「悲しき恋歌」のテーマ曲にもなりそうです。バッハのような荘厳な雰囲気も感じられます。
M何茫然 ハマンヨン
3曲目のHamangyeonが韓国語で歌われています。‘人の感情の中で一番奥深いものが愛です。大きな恋ほどその痛みも大きい‥だからこそ美しいもの’17曲目はオーケストラバージョンです。

宮廷女官チャングムの誓い44〜48話(全54話)

監督/イ・ビョンフン
出演/イ・ヨンエ チ・ジニ
    キョン・ミリ ホン・リナ
    イム・ヒョンシク イム・ホ

(44)投獄
皇后の頼みを受け釈放されたチャングムは菜園に向かいます。チョンホはチャングムを助けるために皇后に全てを話していたのです。ユンスの診断に不満なチョンホはシン教授とウンベクに王の脈診をさせても同じ診断を下します。内待府(ネシブ)がスラッカンを調べると毒きのこの笑い茸が見つかり疑いをかけられたチェ女官長とクミョンは内待府に監禁されてしまいます。王は以前から皮膚病に悩まされていたのです。ヨリがある一軒家に行くとそこには前の女官長(ヨンシン)が待っていました。ヨリは女官長に恩義を感じていて、いつかチェ一族の失脚を望んでいたのです。料理に笑い茸を入れたのもヨリでした。オ・ギョモも捕われ3人に疑惑がかけられるが、チャングムはここで3人に失脚されてはハン尚宮の無実を証明できないと彼らを助ける行動に出ます。3人が拷問を受けているとチョンホが来て料理には問題がない誤診であると申し出ます。
(45)失明の危機
拷問から開放されたチェ女官長とクミョン。一方チャングムは病名は不明だが、王の治療法が分かったことを皇后に知らせます。弧惑病と主張するユンスに治療を任せると王は呼吸困難になるほど弱ってくるので、皇后はチャングムに治療を任せることに‥。しかし王はやがてほとんど目が見えなくなり、取り乱した皇后にこれは病気の進行と説明をします。そして自分に王の脈診をさせて欲しいと願います。皇后はチャングムに自分の全てを委ねることに。チャングムは王の使っていた水を調べ始めます。王に薬とにんにく粥と梅の漬物を食べさせても改善しないので皇后は怒り、チョンホと共に牢に閉じ込めてしまいます。牢の中でふたりは互いに相手を気遣います。しばらくしてチャングムに釈放が命じられます。王はチャングムの薬の処方で快方に向かっていたのです。チャングムは王に針治療を行い、夜通しマッサージを施します。
(46)医局長の遺書
王は目が見えるようになります。チャングムはひ素を含んだ温泉の水を飲んでいる牛の牛乳を毎日飲んだからと病気の原因を突き止め功績が讃えられます。面白くないのがチェ女官長とクミョンです。チョンホはチェ・パンスルの銀の取引を調査していて、現場で取引の相手を取り押さえ内禁衛(ネグミ)に報告します。ヨンセンは王に‘私の友、チャングムの話を聞いてあげて欲しい、私の師、母同然のハン尚宮の名誉を回復して欲しい’と頼みますが、王はハン尚宮の恨みを晴らすと血が流れるだろうと‥。チャングムはユンスに医務官として正しい道を、真実を話すよう頼むと猶予が欲しいと彼女を帰宅させます。その夜ユンスは自ら命を絶ちます。チャングムはチェ女官長に‘私は医局長の遺書を持っている、ハン尚宮のことは全て真実を述べて罪の許しを請うて欲しい’と迫ります。オ・ギョモはチャングムの母の事件とチャングムのいきさつを知ることに‥。チェ女官長とオ・ギョモは真実を知っているヨンノを味方にしようと必死です。
(47)口封じ
どちらにつくか迷ったヨンノはチャングムを訪ね取引を願い出るが断られます。翌朝チェ女官長はミョンイのお墓の前でひどいことをした自分を許して欲しいと誤りますが、チャングムは反省とは自らの行動に責任を取ること、何も失わずに反省などない、お役所に行って欲しい‥と強く訴えます。やがてヨンノの裏切りを知ったチェ女官長は彼女を密かに始末します。チャングムは王と皇太后に遺書は持っていないと言い張るばかり。するとチェ女官長はヨリに偽りの遺書を司憲府に持って行かせます。王はあひる事件について取調べを行うため、当時の関係者を招集するよう命じます。全員の顔ぶれが揃って、当時のいきさつが全て話されます。チェ女官長もオ・ギョモも全く自分たちには無関係のことと強い口調で訴えます。そこへ死んだはずの医局長がチョンホとチャングムに連れられて入って来ます。
(48)チェ一族の崩壊
驚いている全員を前にユンスは真相を全て話します。チェ女官長もオ・ギョモも身に覚えがないと一点張り。そこへ当時試食をした女官と前女官長代理も現れ、真実が書かれた手紙を見せます。真相が明らかになり、関係者は全て縄にかけられます。内待府に監禁されたチェ女官長は隙をみて逃げ森の中をさまよいミョンイのお墓の前で心から詫びます。そしてクミョンのために自首しようと帰り道、崖から落ちて亡くなります。彼女の脳裏にはミョンイやハン尚宮と遊んだ楽しい思い出が蘇っていました。オ・ギョモ、チェ・パンスルは流刑、クミョン、ユンス、ヨリは役名を剥奪されます。チャングムは王に母とハン尚宮の地位を回復することを願い出ます。そしてスラッカンのチェゴ尚宮になり、母の手紙に無念の書を綴って母との約束を果たします。チャングムが宮中を歩いているとハン尚宮が現れ、’ミョンイがあなたは悪戯好きで困ると言っていたわ、でもほんとうにありがとう’と言って消えてしまいます。医女に戻ったチャングムは王にお礼を申し出ると、‘自分が王になる前に幼い子がお酒を配達してくれて、私は女官になりたいと言ったがそれはお前か?’と尋ねると‘はい私です’と笑顔で答えます。

ついにチェ一族が崩壊してしまいました。繁栄があればいつか滅びるとは世の常かもしれません。医女になった時、ウンベクに復讐のために医者になってはいけないと言われ、ずっと苦しんでいたチャングム。でも医女としての信念を曲げないで、復讐も医術も両方極めたのは立派です。ミンさま、カン・ドック夫妻、ヨンセン、ウンベクたちの支えのお陰です。チャングムのチェゴ尚宮の姿がハン尚宮にとても似ているのでびっくりしました。その人のことを思っていると、いつのまにかその人に似てくるというのはほんとうかもしれませんね。


宮廷女官チャングムの誓い49〜54話(全話完了

監督/イ・ビョンフン
出演/イ・ヨンエ チ・ジニ
    イム・ヒョンシク クム・ボラ 
    イム・ホ ミョン・サンフン
    パク・ウネ キム・ユジン 

(49)つかの間の和み
王は「苦しみの中、よくぞ素直に成長してくれた」と褒め称え、活人署(ファリンソ)に行って貧しい人達の病気を治したいと言う彼女の申し出は叶えられます。カン・ドック夫妻のところから通うことに。チョンホは子供達に凧に墨絵を描いてあげたり、チャングムは患者に誠心誠意治療を行います。仕事の合間にチョンホを訪ねると、そっけない態度なので‘私はチョンホさまに会いたいだけです!’と言うと‘なぜ最初からそう言わないのですか?’と嬉しそうなチョンホ‥。宮中ではチェゴ尚宮が健康を理由に辞退して、新しいチェゴ尚宮の競い合いが行われます。欲がなく謙虚なミン尚宮が選ばれ仲間たちは彼女を祝福します。チャングムは皇后から治る見込みのない東宮の安楽死を頼まれ、医女として悩みます。その話を王に聞かれたチャングムは王から問い詰められ、悩んだ末にチョンホを探して‘私をさらって逃げて!’と泣きながら頼むと‘明日辞職願いを出すから待って欲しい’と二人は固く抱き合います。
(50)波紋
翌朝宮中を去る二人。雪の中を背負って歩くチョンホにチャングムは父は母が川を渡る時、飛び石を置いてそれが縁で結ばれたことを話します。宮中では王がチャングムを自分の主治医に任命して大騒ぎに。大臣、医女仲間、皇后全ての怒りを買います。船着場で追ってにつかまり、二人とも一緒に逃げたい気持ちを秘めながら宮中に戻ります。大臣や上官はチャングムに主治医の辞退を強く勧めるが、チョンホは‘あなたは歴史を変える人、辞退してはいけない’チャンドクも‘女でも認められる世の中になるべき’と言われ迷いながらも‘お受けします’と答えてしまいます。反感の声はさらに広まり、シン教授は辞表を提出します。スグォンは皇太后に王とチャングムを部屋で会わせたことをなじられ早産を引き起こします。何度も意識を失いその度に針を打つと意識を戻しやっと女の子を無事出産します。でもその後仮死状態になるとチャングムが必死で人工呼吸をしてようやく命を取りとめますが、この一件で王の主治医を辞退したいと申し出ます。その時キョンウォンが倒れたと知らせが入ります。
(51)医術の心
すぐにかけつけると王子はひきつけを起こしていました。王も皇后もうろたえるばかり。チャングムは再びファリンソに戻ると子供が天然痘にかかり、王子の病気も天然痘と判明します。チャングムは天然痘の子供達を隔離して、自分もその中で治療法を見つけようと必死です。いろいろな薬を飲ませてどれが効くか確かめ、できる限りの治療を施しついに子供の天然痘が治ります。チャングムは今までの治療法と逆のやり方、病を病ませて治したのです。宮中に戻って王子の天然痘の治療にも専念します。医務官はもちろん医女仲間もチャングムに協力してくれます。必死の看病の甲斐あって王子も治り王と皇后の喜びもひとしお。チョンホは王にチャングムの功績を讃えて、優れた適所に彼女を置いて欲しいと願いでます。大臣達はひとりチャングムの味方をするチョンホを流刑にしようとします。王はそんな大臣達の前でチャングムに従九品参奉(チョングブン・チャンボン)を与え自分の主治医に任命します。大臣達が反対するとどんどん位を上げてついには従六品主薄(チョンチルプン・チュプ)に任命、すぐに辞令を発せよと命じます。
(52)誤解
大臣はそのような辞令には応じないと反対する中で、王の命令に従うチョンホがひとり孤立してしまいます。シン教授、や医女たちも支持しますが、皇太后はむしろに座り込み猛反対です。その様子を見て王は仕方なく自分の考えを取り下げます。ある夜チャングムは王に庭の散策を勧めます。自然の教えから学ぶことの大切さと、不眠がちな王に心を許している人に悩みを打ち明けるようアドバイスします。すると王は心の悩みをチャングムに話して驚かせます。王はチョンホを呼びチャングムと出会ったいきさつを聞くと、自分はもう子供の頃からチャングムを知っていると張り合うのです。チョンホの表情が暗くなります。やがて皇太后はチャングムを側室にせよと王に命じます。この話が広まるとチョンホはもちろんカン・ドック夫妻もチャンドクも心配します。スグォンは王に会って‘チャングムは料理の時も医術の時も全てを賭ける人、彼女の才能を伸ばし、チャングムとチョンホを一緒にしてあげて欲しい’と親友として頼みます。王はチャングムを呼び‘ミン・ジョンホを慕っているのか?’と真意を確かめます。
(53)ふたつの愛
‘はい’と答え側室の話を断ります。王はチョンホがチャングムにのりげをもらったことをやっかみ、弓で勝負を持ちかけます。1回目から4回目まで二人とも的中、そして5回目に王はわざと的を外してチョンホを勝たせます。チョンホは王にチャングムの不屈の精神、ゆるがぬ信念全てがいとおしい。医女として我が国の歴史に刻ませて欲しい、今までの混乱の責任は自分が全て背負うので処刑にも甘んじると頼むのです。王は側室の話は取り下げてしまいます。そしてチャングムに「大長今」の称号を与え、王の主治医に任命します。しかしチョンホは流刑になってしまい、チャングムは泣いて後を追うと、‘私的な感情は捨て今までのことは忘れて頑張りなさい’と言うチョンホにのりげを渡して別れます。チャングムは王から菜園をもらって薬草の研究に取り組みます。ある日怪我をしている兎に鍼で麻酔をして縫うことに成功します。だんだん体が弱ってくる王はついに腸閉塞になり毒が肝臓に回って危険な状態になります。チャングムは王に腸の手術を勧めると王は大変驚きます。
(54)我が道
医務官たちも手術には猛反対です。諦めきれないチャングムに王は‘そちのお陰で丈夫な人生を送れて幸せだった。優れた医女で愛しい女でもあった’と言うと‘王様に仕えて幸せでした’と涙ぐむチャングム。やがて王命が下り、無理やり船に乗せられ降りるとそこにはチョンホの姿が‥。二人は走り寄って抱き合います。王の手紙には‘明国に向かえ。今まで仕えてくれてありがとう。これからは愛する男と一緒に思う存分医術で人々を救うが良い’と‥。王は崩御します。8年後、女の子がお母さんに足をムチで叩かれています。チャングムと娘ソウォンです。3人は幸せな生活を送っていました。村の女性が破水したと聞くと飛んで行き、手術の話をすると役所に送られそうになりますが、ソウォンの機転で助かります。カン・ドックはチャングムを見つけたことを宮中に知らせると、皇后より迎えが来て3人は宮中に戻れることに、そして身分も回復されます。カン・ドック夫妻のところに行って、父上、母上と最高の大礼の挨拶をします。チャングムは皇后に民衆のために働きたいと申し出て3人は宮中を後にします。海岸を歩いていると洞窟に破水している妊婦がいるとチャングムは迷わず手術をして母子共に助かります。‘ほらちゃんとできたでしょう?’と何度も何度もチャングムは叫びます。

全54話が終わってほっとしたような寂しいような複雑な心境です(笑)歴史が苦手な私も華やかな宮廷料理や衣装に彩られたチャングムの物語に夢中になりました。韓国の歴史、特に貴重な食文化を学んで韓国をより身近に感じることができました。印象に残ったシーンはハン尚宮が幼いチャングムに‘水を持って来ておくれ’と頼んで料理人の心得を教えるところ、天然痘にかかった子供を部屋に隔離して、必死の思いで治療法を見つけ医術の心を教えるところです。医者を志す人たちに是非観て欲しいシーンです。チャングムの父が仙人に予言を受けるところ、味覚を失ったチャングムをハン尚宮が励ますところ、村に取り残されたチャングムをミンさまが助けるところ、チェ女官長の悲しい最後のシーン等も忘れられないです。ドラマでは情の部分も丁寧に描かれているのでとても感動しましたね。6話でミンさまの命を救ったことがきっかけで愛を育み、生涯の伴侶となってゆく過程も見応えがありました。カン・ドック夫妻やハン尚宮からは肉親以上の愛情を受け、ヨンセンとは変わらぬ友情を築き、良い上司にも恵まれたからいつも頑張れたのだと思います。中宗は57歳で亡くなっていますが当時では長生きをした王でした。これもチャングムが主治医を務めたからでしょうか。ドラマの最後は仕事も家庭も手に入れたチャングムですが、医療のパイオニアとしての彼女を讃えて終わっているところも素晴らしいと思いました。