女子高生、紺野真琴はあるきっかけからタイムリープの能力を持ってしまう。テストを受け直したり、好きなものは何でも食べられたりと毎日使い放題。ところがある日、ボーイフレンドの千昭からの告白をなかったことにしてから事態は大変な方に向かってしまう。「時をかける少女」のリメイクアニメ版。

映画よりも先にアニメを観てしまいましたが、期待以上の面白さで2回観ました。タイムリープものは昔から大好きで、米ドラマ「タイムトンネル」は毎週観ていた記憶があります。作品としては「サマータイムマシン・ブルース」に似ていますね(お互いに影響を受けているのかな?) タイムトラベルというと何百年も過去に戻って歴史を変えるかもというどきどき感が醍醐味ですが、「時かけ」はよく戻っても3日前で分単位で戻るから少女らしくて可愛いです。真琴は活発で少しお調子ものだけど、現代っ子らしく明るいキャラクターがとても魅力的。功介と果穂のキューピットになってあげたり、全力投球でふたりを救ったりと友達思いの熱いハートも持っている女の子です。功介、千昭、真琴3人の関係が微妙で青春してますね(笑)カラオケやプリンを食べるタイムリープのシーンは、何回観ても楽しいです。でも毎回頭をぶつけるのがちょっと痛そう。それにタイムリープがいつもうまくいくわけではないのですよね。千昭が真琴に愛を告白するシーン‥こんな大事なシーンを強引になかったことにするなんて絶対だめです!あわてて東奔西走しても事態はますますややこしくなってしまって大変ですよ。千昭が友人のために使ってくれたので、事なきを得ましたが‥。魔女おばさんこと、芳山和子(’83年映画版のヒロイン)は真琴にいろいろアドバイスをしてあげたり、自分は待つ人間だけど、あなたは自ら行動する人間でしょうとエールを送ってあげるふたりの関係が素敵ですね。時代を超えて変化してゆくものと、変わらないものがあることを、ふたりのヒロインが私たちに投げかけてくれています。素晴らしい未来への希望に向けて‥。

初恋のきた道(2000・中  米)

昭和40年代、福島県いわき市の炭鉱町では、石炭から石油の激動で、かつての活気はなくなっていた。少女たちは常磐ハワイアンセンターでのフラダンスショーに町の隆盛をかけて日夜練習に励む。実話を基にした感動ドラマ。

公開時にとても評判が良かった「フラガール」をやっと観ることができました。フラダンスと言えばハワイの華麗なダンスショーを思い浮かべますが、常磐フラガールのショーは、華やかさの中にも少女たちのひたむきな思い、情熱が込められています。昭和40年頃は女性はまだ自分を表現することに慣れていなかった時代、女性だってもちろん素晴らしい才能を秘めていますよね。最初は町のため、家族のため、友のために練習していた彼女たちも、やがては自分が踊ることの楽しさに目覚めていくところが爽快です。優ちゃんがダンスの練習をしているのを母がじっと見ていて、何も言わずに去るシーン‥娘の真剣な練習を観て、古い女性観を見直す時が来たと悟る表情が印象的でした。富士純子の貫録が光ります。華やかなダンスショーの裏には炭鉱町の悲哀や家族間の葛藤などがあって心が痛みますが、地道な練習を重ねそれらを乗り越えて得られる喜びは大きいと思います。松雪泰子演じる平山まどか先生はかつては表舞台で活躍していたのに、いわきに来てからは教える立場になりました。どんな分野でも輝く人と輝かせてあげる人がいるけれど、まどか先生は後者になって生きがいを見つけた人ですね。舞台の袖で涙ながらに拍手をしていた姿が素敵でした。兄の豊川悦司の優しさやハワイアンセンターの岸辺一徳の一生懸命さも心打たれるものがありましたね。ラストのフラダンスショーは引き込まれてしまいました。特に優ちゃんのソロのダンスは素晴らしいです!笑って泣けて爽やかな後味の感動作です。

監督 チャン・イーモウ
出演 チャン・ツィイー
    スン・ホンレイ   
    チョン・ハオ


都会から村に教師としてやってきたルオ・チャンコーに恋心を抱いた18歳の少女チャオ・ディは彼への想いを料理に託す。観る者の心を浄化してくれる最高に純粋で気高い少女の恋の物語。

2000年の公開時に劇場で観ましたが、いつまでも心に残る大好きな作品。チャン・イーモウ監督作でいちばん好きです。父の突然の死の知らせで村に帰ってきた息子が悲しむ母を慰める冒頭のシーンは白黒で描かれています。夜なべをして布を織る母の姿に父への愛情の深さが感じられますね。両親の出会いから結婚までが息子の回想シーンでこちらはカラーになっています。チャン・ツィイー演じるチャオの愛らしさ、美しさに胸が熱くなりますよ。赤やピンクの上着が、恋する乙女によく似合っていますね。チャオは先生への想いを伝えるために心を込めて美味しいお料理を作る姿がいとおしく、そんなふうに想われ、慕われた先生も幸せですね。子供たちに生きる志を教える彼の教師としての誠実さも心に残りました。いつも息子の心配をしている両親、母思いの息子の関係も微笑ましいです。チャオのきのこ餃子をどんぶりに入れて走る姿、落とした髪留めを探す姿、先生を探しに病気の体で雪道をさ迷う姿にも一途な思いが伝わってきます。お葬式の場面で始まりますが暗いお話ではなく、こんなにも素敵な家族を持てたチャオの最高に幸せな物語ですね。

監督 細田守
出演 紺野真琴 
    間宮千昭
    津田功介
    芳山和子
    

アニメ 時をかける少女(2006・日)



フラガール(2006・日本

監督 李相日
出演 松雪泰子 
    蒼井優
    豊川悦司 

イルマーレ(2000・韓)

監督 イ・ヒョンス
出演 イ・ジョンジェ
    チョン・ジヒョン


イルマーレ(海辺の家)から引っ越したウンジュと2年前に住んでいたソンヒョンは家の前のポストに手紙を入れて文通を始める。美しい言葉と幻想的な映像のファンタジックなラブ・ストーリー。

海の沖合いからイルマーレがだんだん近づいてくる映像とコーラが足跡をつけるところから不思議な幻想の世界に引き込まれてしまいました。イルマーレは潮が引いていると海岸に、満ちていると海の中に建ってます。ウンジュの手紙は未来からのものなので、現実にはありえないこと‥。でもふたりの思いが込められている手紙の言葉が美しく優しいのでピュアな気持ちで観れました。ソンヒョンは最初は手紙をパソコンで打っていたけれど手書きになっていくのがいいですね。「愛を失った人は何も失わない人よりも美しい」「孤独と親密さの中で人は自分を発見する」「イルマーレでの幸運を祈る」素敵なせりふの数々‥。韓国らしく相手を思いやる気持ちが伝わってきます。ウンジュと別れた恋人、ソンヒョンと父親の関係よりもふたりの恋愛が濃密に繊細に描かれているところが素敵です。若いチョン・ジヒョンのみずみずしさとイ・ジョンジェの優しい笑顔と人柄が作品の魅力になってますね。せりふの間の取り方とセピア調の映像が神秘的で東洋の美を感じます。音楽の使い方も上手ですし、海辺の景色や渡り廊下、木のイルミネーションも情緒たっぷり。最初と最後のシーンがシンクロしている味わい深いラストも大好きです。ずっと心に残る作品になりました。

裸足で散歩(1967・米)

監督 ジーン・サックス
出演 ロバート・レッドフォード
    ジェーン・フォンダ
    シャルル・ボワイエ


結婚式を終えたポールとコリーはハネムーンの後、ワシントン・スクエア近くのアパートメントに向かう。エレベーターのないビルの五階がふたりの新居だ。家具ひとつない部屋からふたりの家作りが始まる。楽しくて温かいアパートメント・コメディ。

ロバート・レッドフォードの作品は結構観ています。何度も観ているのが「スティング」「明日に向って撃て」他には「ホット・ロック」「大統領の陰謀」「アンカー・ウーマン」「モンタナの風に抱かれて」「幸福の条件」などです。録画して未見の作品は監督作「普通の人々」、「追憶」「華麗なるギャッツビー」がありますが、年末なので温かくハッピーになれる作品ということで「裸足で散歩」を観ました。ニール・サイモン原作、脚本のブロードウェイ舞台のヒット作ですが、新婚生活が洒落たタッチで描かれています。ポールは仕事のことしか頭にないお堅い弁護士、コリーは好奇心旺盛で部屋の改装を夫に喜んでもらいたい主婦。そんな対照的なふたりなので合わせるのが大変です。屋根裏部屋に住んでいる風変わりな老人(シャルル・ボワイエ)に夕食を招待されても楽しめないポールにコリーは性格の不一致と怒って追い出してしまいます。家出をして酔っぱらってポールが裸足で踊り歩くシーンは見所ですね。原題の‘Barefoot in the park’のパークはワシントン・スクエア公園です。ふたりの仲を取り持ってくれたのがコリーの母で「夫のために自分を少し抑えて、夫を大事にして立ててあげなさい」と忠告してくれます。欠点を見るよりは、違いを認め合うことこそ夫婦円満のコツなんでしょうか。初めは強妻(パンフ参照)ですが、やがて優しい妻に変身します。心暖まる、粋で楽しい作品です。