時をかける少女(1983・日)

ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声(2014・米)

監督 大林宣彦
出演 原田知世
    尾美としのり
    高柳良一

    


    
    

尾道に住む老夫婦の周吉ととみは、20年ぶりに東京の子供たちの家族に会いに行く。
長男幸一の家族、長女志げの夫婦は、歓待はしてくれるものの忙しくて温かみに欠けている。
戦死した次男の昌二の未亡人紀子の優しい心遣いが何よりも嬉しい二人だった。

昭和28年の作品なので、私の生まれるごにょごにょの頃なんだ~と感慨深く観ました^^
白黒でせりふもゆっくりのテンポで、久しぶりにゆったりのんびり映画を楽しむことができました。
ストーリーは、込み入ったものではなく、どの場面も優しい空気に包まれてとても心地良かったです。
久しぶりに両親に会っても、仕事が忙しくてちゃんと接待できない、ゆっくり話もできない・・
私たち夫婦もそんな感じの時もあったな~と反省してしまいました。
両親にそっけない兄弟たちを見て、尾道で二人の世話をしている末娘京子に
結婚すれば自分の家庭が一番大事になるのよと言う紀子に、そうそうとうなづいてしまいました^^;

帰宅してから周吉はとみに、我々は幸せな方だねと言いますが、子供たちや孫たちに恵まれ
二人で仲良く老後を過ごせる夫婦は、やっぱり幸せな生涯だなと思います。
でも世の中には、絵に描いたような人生を送れる人ばかりではないので
それぞれ自分に与えられた環境の中で、幸せを見つけて生きていくことが大事なんでしょうね。
私などは、40代の時にも病気をしたりして、いつまでも親に心配かけていました^^;

映画の前半は、ほんわかしたムードが漂って心地良く見ましたが、後半は涙、涙でした。
年を取ると、いつこのようなことになるのか分からないですが、やはり突然の別れはつらいもの・・
そんな時でも、血の繋がっていない紀子が、一番親身になって周吉を気遣っていて
血のつながりって一体何なんでしょう?と思ったりしました。
紀子を演じた原節子さんの、美しく上品な立ち振る舞いに引き込まれました。永遠の憧れの女優さん♡

この作品は、フランスで世界最高の映画と評されたそうですね。
万国共通の普遍的な家族の物語が、温かく描かれている素敵な作品ですね。



監督 小津安二郎
出演 笠智衆
    東山千栄子
    山村聰
    杉村春子 
    原節子
    

東京物語(1953・日)

12歳のステットは、歌は上手だけれど、家庭に恵まれていないため学校では
問題児だった。彼の歌の才能を見抜いた校長は、彼に国立少年合唱団の
オーデションを勧める。心を閉ざしていたステットだが、母の突然の事故死
父親の育児も望めないため、全米1の合唱団の付属高校への転校を決める。

ステットは転校しても、なかなか馴染めないで、悪戯ばかりしていました。
そんな彼に、ベテラン教師のカーヴェル(ダスティン)に、才能があっても
そんな態度では音楽を学ぶ資格はない!と厳しく戒められます。
ステットは反省をして楽譜の読み方から勉強を始め、めきめきと力をつけていきます。
そしてついにNYでのコンサートのソロ歌手として大成功を収めます。
両親がいなて寄宿生活を強いられた中で、歌うことの素晴らしさを
見出していく姿に心から良かったね~と思いました^^
音楽は、人生の孤独や窮地を救ってくれるというのは真実だと思います。

ダスティンは、実は俳優になる前は、ピアニスト志望だったそうですよ。
映画の中でもピアノを弾くシーンがありましたが、とっても上手でした🎵
ステットをいつも厳しく、でも優しく見守るカーヴェルは父親のような存在ですね。
ギャレット君は、ほんとうに美声の持ち主で、ほとんどの歌を吹き替えなしで
歌って素晴らしかったです。ハレルヤのソロの美しさに、心奪われましたよ。
ボーイソプラノというのは、少年から大人になるまでのわずかな期間しか
出せない声なので、コンサートが終わって間もなく、声変わりをします。残念・・
でも素敵なハッピーエンドのラストに、ステット君の幸せを願わずにはいられなかったです。

小学生の時に、ウィーン少年合唱団の公演を家族で観ました。公演翌日
家のすぐ近くの教会に合唱団が歌いに来てくださった素敵な思い出があります。
ボーイソプラノのは、まさに天使の歌声・・心が洗われますね。


監督 フランソワ・ジラール
出演 ダスティン・ホフマン
    ギャレット・ウェアリン
    キャシー・ベイツ

中学3年生の芳山和子は、ある日理科実験室でラベンダーの香りを嗅いで意識を失う。3日後不思議な出来事が和子の周囲で起こり始める。筒井康隆原作「時をかける少女」の映画化。

オリジナルも素晴らしいので2回観ました。リメイクが先でしたので、20年も過去にタイムリープしたような気分になりました。尾道の町の風景が美しくて、ドラマ全体がゆったりとした雰囲気に包まれています。画面からラベンダーの香りが漂ってくるような、アロマテラピーのような効果がありますね(笑)今は失われつつある1980年代の学園生活の様子がとても微笑ましいです。先生と生徒、男子生徒と女性徒、友達との関係に思いやりが溢れていて、顔を合わせると‘大丈夫?’と相手を気遣う優しさが素晴らしいです。同級生の深町一夫と浅倉吾朗の和子に接する態度も信頼感に溢れています。深町くんと吾朗ちゃんは同じ時代の人ではないから、深町くんの態度や視線は吾朗ちゃんよりは大人びています。

和子が包容力があって頼りがいのある深町くんに恋する気持ちはよく分かりますね。アニメはタイムリープの面白さを前面に出していましたが、オリジナルはタイムリープを通して和子の少女から大人の女性へと成熟していく淡い恋心が伝わってくるようで切なくなります。雪山で星を観るシーンは神秘的で冒頭から引き込まれてしまいました。桃、栗3年、柿8年の歌や、漢詩の授業や体育の時間を見ていると、当時の教育が大らかでゆとりがあったことが伺えますね。原田知世の瑞々しい存在感が時を超えても色あせることなく、現代に受け継がれているのですね。映画のそれぞれのシーンで「時かけ」を歌う知世ちゃんが可憐でチャーミング。音楽監督が松任谷正隆さんだなんて!(嬉)日本映画の名作ですね。私にとっても大事な心の映画になりました。