LA VIE EN ROSE サントラ(全27曲)

@神よ憐れみを HEAVEN HAVE A MERCY(英語バージョン)

原曲は「憐れみ」で神に慈悲を願う歌です。重厚な歌詞とメロディーがドラマチックに歌われます。愛する人が戦争に行ってしまい生きる希望がなくなった女が、「神よ こんな私を憐れんでください」と悲痛な気持ちで訴えるように歌っています。
Eバラ色の人生 LA VIE EN ROSE(英語バージョン)
作詞、作曲ともにピアフです。公私共に良き友人であったイブ・モンタンも男性用の歌詞で歌っています。「あなたがかけてくれる魔法は私をバラ色の人生にしてくれる あなたが話すと天使が歌いだす」と歌詞もメロディーもロマンチックで可愛い女心が素敵なシャンソンの名曲です。原題がLA VIE EN ROSEなので、映画では幸せな場面で聴くことができます。
G私の神様 MON DIEU
「神よ 神よ 神よ 神様1日でも2日でも恋人と愛し合う時間をください。」と切々と歌われる感動的な歌です。映画ではマルセルのボクシングの試合中に流れます。ピアフの神聖かつドラマチックな歌は、聴く者の心を引きつけてやみません。
H愛の讃歌 L’HYMNE A L’AMOUR
ピアフの作詞です。最愛の恋人、マルセル・セルダンに捧げられた曲です。マルセル存命中に作られ、イヴェット・ジローに歌ってもらう予定でしたが、彼の死を知ったピアフは2日間飲食もせずにホテルに閉じこもり、3日目にステージで歌って聴衆と一緒に涙を流したそうです。日本では岩谷時子さんの「あなたの燃える手で‥」という歌詞がありますが、原曲は「青空だって私たちの上に落ちてくるかもしれない あなたが愛してくれるのならそんなことどうでもいい あなたが死んでも平気 私もいつか死ぬのだから 私たちは永遠の中で愛し合えるのだから」マルセルの死を美しく浄化させ、愛の名曲にしてしまうピアフの才能に感動します。
J水に流して(私は後悔しない) NON,JE NE REGRETTE RIEN
映画の最後に歌われます。今までの人生を振り返って「いいえ、私は何も後悔しない 私が人にしたこと、良いことも悪いことも 人が私にした仕打ちもどうでもいい 私の苦しみ 喜びも今は必要ない 私はゼロから出発する」と新たな人生に希望を託す歌です。

ピアフの歌は他にAミロールBなんにも、なんにもC群衆D心の叫びFパダン、パダンI私の回転木馬の11曲が入っています。K〜Sは映画のオリジナル曲です。最後の7曲は映画のストーリーと関連のあるシャンソンを集めています。


エディット・ピアフの歌は「街角の魂」「シャンソン界の貴婦人」と称されています。
ピアフは作詞、作曲もしますが、才能豊かな音楽家に曲を依頼して歌っています。
そしてイブ・モンタンやシャルル・アズナブールの才能を認め、世に送り出しました。
初めて聴く曲も多いですが、どの曲も素敵で歌の巧さと歌心が自然に伝わってきます。
サントラとCDの中で特に好きな曲を少し解説します。


人間と動物が共存していた自由の国オズにあるシズ大学で、エルファバとグリンダは出会う。生まれつき緑色の肌をしていたエルファバはクラスメートから差別をされ、除け者にされていたので、金髪で美しく人気者のグリンダとは仲良くなれなかった。しかしある出来事がきっかけで二人は急速に心を通い合わせ親友になる。その頃、オズでは動物への迫害が起こり、平和が乱される。国のために戦うことを決意したエルファバはグリンダと共にオズの魔法使いが住むエメラルドシティに向かう。

ウィキッドとは邪悪なという意味なのでタイトルで引いていましたが、評判が良く「オズの魔法使い」が原点になっているので観劇しました。舞台装置が豪華で、正面の天井に大きな翼を広げているドラゴンに圧倒されます。グリーンやオレンジ、レッドのライトが効果的に使われ美しかったです。歌もダンスも素晴らしくて、とても洗練された舞台という印象を受けました。映画は子供から大人まで楽しめるように作られていますが、「ウィキッド」はティーン・エイジの女の子に特に人気があるのは分かるような気がします。グリンダとエルファバに自分たちの姿を重ねることができるからではないでしょうか。

1939年公開の「オズの魔法使い」はカンザスの少女ドロシーが愛犬トトと竜巻に巻かれて、落ちると東の悪い魔女を押しつぶしてしまい、妹の西の魔女が姉の形見の真っ赤なルビーの靴を取り返しにくる。カンザスに戻りたいドロシーは脳みそがほしいかかし、ハートがほしいブリキの人形、勇気がほしいライオンと共にオズの魔法使いに会いに行くが、彼は気球乗りのペテン師でした。南の善良な魔女グリンダのおかげでドロシーは窮地を救われるが、人は何をするにも知恵と優しさと勇気(知、情、意)が必要という寓話物語ですね。「ウィキッド」はエルファバとグリンダがまだ学生の頃のお話ですが、このような経緯をたどって西の魔女と南の魔女になったのですね。オズの魔法使いは実はペテン師である。つまり人の外見や世間の評判は当てにならない。何事にも複雑な真実があると教えてくれます。

自分たちと異質のものを排除しようとする社会への警告、善人と思われている人も裏では悪人だったり、その逆もあり得るということ、才能があることで差別を受け、情報もいい加減なものが多いということも描かれています。動物への非道な扱いにも触れられています。エルファバは本当は優しい女性なのに悪い魔女にされ、グリンダは国を救うたくましい女性になってゆく‥人は自分が思い描く人間には簡単にはなれないのが現実なのかもしれません。メッセージやテーマは深刻でもファンタジーとして楽しいからミュージカルは素敵ですね。沼尾みゆきさんが歌う「Popular」は軽やかで大好きですし、濱田めぐみさんの「Defying Gravity」の力強い歌声も素晴らしかったです。二人が別れる時に歌う「For good」は感動しました。ウィキッドはウィ(私たちの)キッド(子供)=子供は社会の宝、そしてウィ(フランス語でイエス)キッド(英語で子供)=大丈夫、子供たち!差別、偏見に負けないで!とも解釈できるのですね。

EDITH PIAF(全20曲)

A谷間に三つの鐘がなる LES TROIS CLOCHES

男性合唱団と共にピアフの歌声が爽やかで美しいです。谷間の村にジャン・フランソワ・ニコが生まれ、教会で洗礼を受け鐘が鳴る。成人して優しい妻を得るが、やがて肉体は衰えて死んでいく。そして永遠の生命を得るという、ニコの生涯が賛美歌のように清らかに歌われます。私の大好きな歌です。
Nミロール MILORD
ミロールとは英語で「My Lord」。港町の娼婦が女に振られてしょんぼりしているミロールに「いらっしゃい ミロール」と呼びかけて慰めようとする歌です。
M群衆 LA FOULE
原曲は「誰も私の悩みを知らない」です。軽快なピアノ伴奏が心地良く、ピアフもお気に入りで素晴らしい歌声を聴かせてくれます。祭りの群衆が彼と私をひとつに結び、やがて私たちを引き離してしまう様子が描かれています。

サントラの曲はほとんど入っています。他には「アコーディオン弾き」「パリの空の下」「十字架」「王様の牢屋」など名曲揃いです。ピアフの歌をじっくり聴きたい方はこちらがお勧めです。


ウィキッド
WICKED
脚本 ウィニー・ホルツマン
演出 ジョー・マンテロ
作詞・作曲 スティーブン・シュワルツ
出演 沼尾みゆき 濱田めぐみ
    小粥真由美 森以鶴美
    李涛 金田暢彦 
    武見龍麿 松下武史