レベッカ   REBECCA

演出 山田和也
脚本 歌詞 ミヒャエル・クンツェ
音楽 シルヴェスタ・リーヴァイ
出演 マキシム 山口祐一郎   わたし 大塚ちひろ   ダンヴァース夫人 涼風真世
    フランク 石川禅   ファヴェル 吉野圭吾   ヴァン・ホッパー夫人 寿ひずる
    ベアトリス 伊藤弘美   ベン tekkan   ジュリアン大佐 阿部裕   ジャイルズ KENTARO
観劇日 2010・5・20 マチネ 帝国劇場

私にとっては今日が千秋楽でしたので、2010年の「レベッカ」をしっかりと心に残しておきたいと思いました。
1階前方の席でしたので、俳優さんたちやオーケストラとの距離が近くて、迫力のある演奏と舞台を楽しむことができて良かったです。
「レベッカ」はヒッチコックの映画と重ねるからかもしれませんが、スマートでお洒落なミュージカルだと思います。
女性の生き方や、幸せとは何かなど考えさせられるテーマの多い、とても素晴らしい作品ですね。
祐一郎さんは、今までジャン・バルジャン、クロロック伯爵、トート帝王といろいろな役を演じてきましたが
今回、洗練された英国紳士マキシムを素敵に演じられて、ファンが増えたのではないかしら。
舞台というのは、回を重ねる度に進化して大きくなっていくのが、4回の観劇でよく分かりました。
オーケストラも響きや音に深みが増して、歌やコーラスとよく合っていて素晴らしい演奏だったと思います。
記憶に自信がなくて、新しい発見が少ないですが、祐一郎さんの歌を中心にレビューを書きます。

マンダレイのお屋敷は暗いけれど、夜空に瞬く星は美しく、スポットライトで門が照らされてきれいです。
「プロローグ〜夢に見るマンダレイ〜」“夕べ 夢を見たの”は高音でしかも舞台の第一声なので、緊張するでしょうね。
ちひろさんはいつも明るく美しく、でも芯のある声を響かせているので感心してしまいます。
フランク、ファヴェル、ダンヴァース夫人、召使いたちのコーラスも、ミステリーを予感させてくれます。
「レディーなんて柄じゃない」寿さんのよく通る美声が心地良いです。ヴァン・ホッパー夫人はいつも堂々としていますが
マキシムはちょっと気取ってソファに座っているし、わたしは自信のなさそうな態度で、3人3様の持ち味が楽しいですね。
“自分のことは自分でする主義ですから 失礼!”と言って軽妙な音楽に合わせて、さっさっさっと歩いていくところも楽しいです。

「幸せの風景」CDとは歌い方が少し違っていますね。やはり舞台で生身の人間が歌うのですから、違って当然ですけれど。
メロディーが特に印象的というわけではないですが、優しい心情が込められていて、素敵な歌になっていますね。
祐一郎さんが、ひとつひとつの歌詞を心を込めて、美しく丁寧に歌っていらっしゃるのが心に残ります。
この日は、左からわたしの後ろを通り過ぎて、右側で歌いながらわたしの前を通って元の位置で歌っていましたよ。
「キス」わたしが描いた絵をマキシムにプレゼントすると、お礼にマキシムに軽くキスをされ、わたしの驚いたような表情が
恋する女性に変わる素敵なシーン。ニューヨークに帰ると決まった時、“神さま あの方ともう一度会いたい”と
わたしが手を合わせるシーンがいいですね。その後、願いが叶いますよね。

「何者にも負けない」涼風ダンヴァース夫人は2回目ですが、前回よりも恐さ度がアップしています。
カトレアをいとおしむように歌う姿は危機迫るものがありましたね。声も低音の響きにすごみが感じられ
眼力も強くなっていて、あんな目で見られたら、きっと恐いでしょうね。
シルビア・ダンヴァーズとどうしても比較してしまいますが、涼風さんの女性特有のねっとりとした恐さよりも
シルビアさんの男性的な怖さの方が、後味は良いかもしれませんね(笑)
「君は幸せか?」チェスを楽しむシーンは、夫婦がくつろいでいる場面なので見ていて微笑ましいです。
わたしがチェスに勝ったご褒美に、マキシムがおでこにキスをして、“君は幸せか?”と優しく歌うところが何気なく素敵。
わたしが“あなたは幸せ?”と歌い帰して、デュエット「こんな夜こそ」が情熱的に歌われます。

「レベッカT」やはり前回よりもパワーアップしていますね。“レベッカ 帰ってきて”と呻くように歌って迫ってきます。
カトレアの大きな彫刻も、カーテンに浮かんだレベッカの姿も、美しいけれど不気味ですね。
「レベッカ」は劇中、3回歌われますが、「レベッカU」は仮装パーティーで、招待客たちがわたしに迫ってくるシーンの後に
「レベッカV」はわたしに“あなたは妻にふさわしくない”と階段に追い詰めた時に歌います。わたしとのデュエットも圧倒されます。
「神よ なぜ」この日はマキシムはボートハウスの舞台に出てくるのが少し遅れて、何かハプニングがあったのでは?と心配しましたが
ちょっと急ぎ足で出て来られて、素晴らしい歌を聴かせてくださったのでほっとしました。
激しいリズムのピアノとドラムの演奏の後に“なぜ取り乱した”と力強く歌い、中間部で少し静かになって、後半からラストまで
一気に歌い上げる姿が男らしくて大好きです。手の動きも強い決意を現わしていますね。ラストの延びも素晴らしかったです。

「アメリカン・ウーマン」寿さんの歌は、いつも客席から大きな拍手が起きています。リズム感とセンスの良い歌とダンスは乗れますね。
舞台の奥の方で、歌に合わせて、手拍子を取って楽しそうに踊ってるマキシムが可愛いです。
ひずるさんの歌を聴きながら、オペラグラスではマキシムを追っているので、この場面はいつも忙しくて大変です(笑)
「凍りつく微笑み」これまでで、いちばん素晴らしかったです。ボートハウスから出て来る時の、肩を落として疲れたような表情が
ちょっと色っぽくていいです。歌とパフォーマンスをはつらつと演じて、レベッカとの間に何があったのか、蘇るようで恐いです。
このシーンは映画でも丁寧に描かれていましたね。祐一郎さんだから、難しい歌をこれだけの迫力で歌いこなせるのだと思います。
「女は強くなる」わたしとベアトリスのデュエットです。マキシムとの愛を確信したわたしは、彼を守るために強くならなければと
固く決意する歌です。ふたりとも夫のいる身なので、気持ちが分かり合えて息もぴったりの素敵なデュエットになっています。

「夜を越えて」無罪になったマキシムが、わたしと再会して、抱擁と長いキスを交わすシーンは、大好きです。
ふたりにとって、試練を乗り越えた安堵感があって、こちらも幸せな気持ちになりますね。
デュエットは、ふたりの息もぴったりで感動しました。
「エピローグ」わたしがプロローグと同じドレスとスカーフで出てきて、火事で焼け落ちたお屋敷の前に立つのですね。
物語が語られて、最初の場面に戻ると、マキシムが白髪で杖をつきながらゆっくりとした足取りで出てきますが
マキシムが60歳、わたしが40歳くらいでしょうか?年を取っているので、マキシムは少しか弱い声で歌い始めます。
こういうところも祐一郎さんは細やかに表現していますね。最後のデュエットは、ふたりの結婚生活を知るようで味わい深いです。

今回のプログラムは歌詞が載せられていませんでしたので、歌の意味をしっかりと把握できなかったので残念です。
それから2階席で1度は観たかったです。セットの動きは2階の方がよく見えますし、照明もきっと美しいでしょうね。
カーテンコールでは、いつもキャストの方たちがオケピの前で、拍手をしてお礼をしていますね。
指揮者の西野淳さんは、以前拝見したことがあると思いましたら、「TDV」の時と同じ方でしたので、嬉しかったです。
1回目のカーテンコールの後、いつも観客が立ち上がって拍手しています。キャスト、スタッフの方たちの労をねぎらっているのでしょうね。
今回も最後に、祐一郎さんとちひろさんが腕を組んで出て来られ、おふたりともにこにこ、丁寧にご挨拶していました。
4月から2ヶ月間、お元気に続けることができて、ほんとうに良かったです。素晴らしい舞台をありがとうございました☆

レベッカ   REBECCA

演出 山田和也
脚本 歌詞 ミヒャエル・クンツェ
音楽 シルヴェスタ・リーヴァイ
出演 マキシム 山口祐一郎   わたし 大塚ちひろ   ダンヴァース夫人 涼風真世
    フランク 石川禅   ファヴェル 吉野圭吾   ヴァン・ホッパー夫人 寿ひずる
    ベアトリス 伊藤弘美   ベン tekkan   ジュリアン大佐 阿部裕   ジャイルズ KENTARO
観劇日 2010・4・8 マチネ 帝国劇場 

「レベッカ」はヒッチコックの映画の印象が強いので、どんな風にミュージカル化されるのか、興味深かったです。
ミステリータッチのストーリーですし、舞台になるマンダレイのお屋敷は暗いので、華やかな場面は少なかったですが
マキシムとわたしの愛がテーマになっているので、愛することの素晴らしさ、尊さがメッセージとして伝わってきて感動しました。
音楽、歌の歌詞、メロディーが美しいので、どの場面も感情移入することができてとても楽しかったです。
舞台のセットは大劇場版らしく豪華でしたし、波や森の風景がスクリーンに写しだされて壮観でした。
映画でないと表現できない個所とミュージカルだから表現できるところがあるのですね。
オーケストラは音色、響きが美しく、端正な演奏で、とても良かったと思います。
緞帳に‘R’の文字が浮かんでいて、サスペンスの物語を予感させてくれます。
緞帳が上がると、マンダレイのお屋敷の暗い門が見えて、波の音が聞こえてきます。

大塚ちひろさん
ちひろさんは、とても美しく女性らしく成長してますね。歌はもちろん、せりふも艶があって上手です。
若い頃は自信のない女性を象徴するかのような淡いブルー、グレー、イエローの地味なワンピースでしたが
結婚してからはきれいなピンクの洋服に変わっていますね。マキシムと出会うシーンの清楚な白いブラウスが素敵。
マキシムとは年が離れているので、甘えるシーンが多いですが、彼の苦悩を知ってからは、自分が守ってあげなければと
強い女性に変わるところが作品の見所ですね。キスシーンが3回ありましたが、本当にしてるんだ…とか思いながら見てました(笑)
「プロローグ〜夢に見るマンダレイ〜」“ゆうべ 夢を見たの”と幻想的に歌われます。歌詞が美しくて心に残ります。
歌の後に、21歳のわたしがマキシムと出会った1926年にタイムスリップします。
「それは私よ」今までびくびく生きてきたけれど、これからはミセス・ド・ウィンターは私!と力強く歌っています。
ちひろさんは可愛らしさと大人の色気の両方を表現できるところが魅力ですね。
ダンヴァース夫人とのデュエットはどちらも譲れないという気持ちが交錯して迫ってきます。

涼風真世さん
涼風さんはエリザベート、エリザベス一世など華やかな役が多いですが、今回のように黒ずくめのドレスの夫人の役は
珍しいのではないかしら。どの場面も低い声でわたしを威圧するように歌っていて恐いです。
お顔立ちが可愛くてキュートな方なので、その役とのギャップがかえって面白くて楽しかったです。
「何者にも負けない」今でもレベッカの幻影から逃れらない夫人が、彼女の美しさ、気高さを称える歌です。
歌詞だけでもレベッカの存在がいかに大きかったかがわかりますね。
どの歌も素晴らしく低音も高音も安定していますね。お体は華奢なのに、骨太で、でも女性らしい柔らかさもあって素敵です。

石川禅さん
禅さんはアブロンシウス教授とジャベールの印象が強いですが、フランクは穏やかで優しい人柄でマキシムの親友ですね。
暖かいオーラがあって、自然体で演じて好感が持てました。役によって全然違うキャラクターになりきる方ですね。
「誠実と信頼」わたしがレベッカと比較して、自分が劣っているのでは?と悩みを打ち明けるとフランクが
あなたには優しさと思いやりがある…とても素晴らしい女性だと励ます歌です。
禅さんは早口言葉もドラマチックな歌も上手ですが、こういう暖かい歌も、美声で軽やかに歌って素敵です。

寿ひずるさん
寿さんを拝見するのは、今回初めてです。わたしをいつも叱っている憎まれ役ですが、マキシムのことがお気に入りで
よくそばに近寄って観客の笑いを誘っていました。貫禄があって堂々とした役で頼もしいです。
「アメリカン・ウーマン」ジュリアン大佐を紹介されて“お薦めしたいのはわたし”と自分を売り込む歌ですね。
リズム感とセンスが良くて、歌心がありますね。明るいオーラのある方です。

山口祐一郎さん
少し影のある上流階級の紳士、マキシムは長身でハンサムな祐一郎さんだからこそ演じられる役だと思います。
純白のスーツ、ブラウンのジャケット、黒のベスト、ガウン姿、トレンチコートと視覚でも楽しませていただきました。
優しいマキシムが突然大きな声で怒鳴ったりして、豹変するところは、本当に怖かったです。
はりのある声と、ささやくようなせりふの使い分けが絶妙で素晴らしかったです。感情を少し抑制しているところも好きです。
「幸せの風景」海岸で絵を描いているわたしを見ながら歌っています。大劇場版のためにつくられた新曲です。
メロディーも歌詞も優しくて、わたしを愛おしく思う気持ちが込められて癒されますね。
祐一郎さんの包み込むような甘い歌声が生かされているので、心地良く聴くことができます。
「神よ なぜ」マキシムが過去の忌まわしいできごとに苦しむ気持ちを歌っています。わたしと出会うことで自分が救われるなら
過去から逃げないで立ち向かおう‥と強い決意が感じられます。圧倒されるような迫力で、ラストまで力強くて引き込まれます。
「夜を越えて」マキシムとわたしのデュエットです。審問会の後で、レベッカの真実がわかり、マキシムは無実になり
ふたりが生涯の愛を誓う感動的な歌です。歌詞はもちろんですが、苦しみから逃れ自由で希望にあふれたメロディーも素敵です。

最後はハッピーエンドなので、観ているこちらも救われますね。年老いたマキシムが登場しますが、映画にはないエピローグですね。
お屋敷が燃えるシーンは本火を使っているので、迫力がありましたね。額縁が燃え落ちるところも見応えがありました。
カーテンコールは2回ありましたが、オーケストラの演奏が始まるとお客様が席を立ち始めて、もうないのかしらと思いましたが
前方の観客が総立ちで拍手をしていましたので、祐一郎さんとちひろさんが腕を組んで出てきてくださいました。
祐一郎さんはカーテンコールの間、ずっと笑顔で楽しそうでしたので、私も嬉しかったです。
今回書けなかった俳優さん、見逃したシーンは次回しっかりと観て、チェックしたいと思います。



レベッカ   REBECCA

演出 山田和也
脚本・歌詞 ミヒャエル・クンツェ
音楽 シルヴェスタ・リーヴァイ
出演 マキシム 山口祐一郎   わたし 大塚ちひろ   ダンヴァース夫人 シルビア・グラブ
    フランク 石川禅   ファヴェル 吉野圭吾   ヴァン・ホッパー夫人 寿ひずる
    ベアトリス 伊藤弘美   ベン tekkan   ジュリアン大佐 阿部裕   ジャイルズ KENTARO
観劇日 2010・5・6 マチネ 帝国劇場

3回目の公演ということで、これまでに見逃した場面をちゃんと観なくてはと思いました。
3月の名古屋から2ヶ月以上の公演が続いているのでお疲れだろうなと少し心配しながら開演を待ちました。
8日の公演はまだ固さや緊張感がありましたが、21日は高揚感があって充実していました。
今回は回を重ねた自信が感じられて、落ち着きと安定感のある舞台だったと思います。
こちらの気持ちも違うかもしれませんが、同じ舞台でもその回毎に印象が変わりますね。
「レベッカ」は台詞が多いので、ミュージカルと舞台劇の両方を楽しめるのが嬉しいですね。
オーケストラは28人のフル編成なので、迫力がありました。特に管楽器の音色がよく響いていたと思います。
「レベッカ」は素敵なナンバーが多いですね。今回は今まで書けなかった歌の感想を重点的に書きます。

「レディなんて柄じゃない」暗い舞台に、明るい色彩のセットが天井から降りてきて、あっと言う間にモンテカルロの
ホテルのロビーのセットに変わるところが見事ですね。ヴァン・ホッパー夫人のライトブルーのドレスが鮮やかで舞台映えがします。
マキシムが登場すると、オペラグラスが手離せなくなってしまいます。フロントで従業員の女性とどんなお話をしているのでしょうね。
マキシムはわたしのことが気になるのか、ちらちらと彼女の方を見ていますが、客席の私はそんなマキシムが気になります。
「その名はレベッカ」わたしがテーブルの花瓶の水をこぼして、マキシムと同席するシーンは映画でも印象的に描かれていました。
マキシムが新聞を読んでいるシーンは、絵になりますね。ヒッチコックの映画ではよく使われる場面です。
マキシムとわたしの仲睦まじい様子に興味津々の宿泊客のコーラスがとても楽しいです。

「幸せの風景」何回聴いても、心が癒される大好きな歌です。即興のように自由に、でも丁寧に歌っていて好感が持てます。
祐一郎さんの口元を見てると美しく発音されているので、歌詞がきれいに響いてくるのだと思います。
最初は舞台に向かって右側の位置に立って歌っていますが、わたしの前を通り過ぎて、後半は舞台の左側で歌っています。
「新しいミセス・ド・ウィンター」映画でも広大なお屋敷とたくさんの召使いたちの出迎えに驚きましたが
ミュージカルの舞台では、美しいコーラスが始まるので、驚きよりも音楽の方に心が奪われます。
コーラスをバックにダンヴァース夫人の歌も迫力がありましたし、お屋敷のセットも豪華で素晴らしいです。
「愛されていただけ」ダンヴァース夫人とファヴェルが特別な関係だったことを伺わせるような雰囲気が漂っています。
吉野さんのめりはりの効いたダンスがやっぱり素敵。ステップも軽やかで見とれてしまいます。
わたしが部屋に入ってくると、ファヴェルがわたしの手に2回キスを(チュッと音をさせて)しますが
ちひろさんがあまり嬉しくないって表情で、手を見るところが可笑しいです。

「ブリティッシュ・クラブ」ジュリアン大佐、ジャイルズ、ゴルファーたちが、踊って歌うアンサンブル・コーラスです。
ユニークな前奏と男女の素敵なソロの後に、横一列に並んでのマーチ風なコーラスが最高に楽しいです。
ゴルフメンバーなので、クラブさばきもなかなか上手ですが、おっとりと品の良いダンス・ナンバーが素敵。
「行っちゃった」ベンが登場すると、ミステリーの物語が、さらに謎めいた雰囲気になりますね。
tekkanさんの歌は、レベッカに秘められた恐怖のようなものを上手に表現していて素晴らしいです。
「神よ なぜ」わたしを小屋の前で見つけて、大声で怒鳴った後に歌っているマキシムはとても怖いけど、素敵。
前回はマキシムの魂が乗り移ったような迫力でしたが、今回はお疲れがあったのかしら。少し声をセーブしているように思いました。
でも激しいジェスチャーで、マキシムの苦悩を全身全霊で表現していました。祐一郎さんは音程が確かなのも強みですね。
「夢の主役」今日だけは華やかに着飾った私を見て!とちひろさんが明るく、はつらつと歌っています。
ペチコート姿も可愛いですが、ドレスを着て、帽子をかぶってレベッカに似てくる様子に、目が奪われます。

「流れついたもの」レベッカのヨットが見つかり、群衆が集まってきて…どんどん話が展開していく場面ですね。
わたし、ファヴェル、フランク、群衆が舞台狭しと右往左往する様子に、こちらも手に汗にぎってしまいます。
「凍りつく微笑み」小屋から出てきたマキシムが、レベッカとの間に起きた事件の真相を語ります。
悲壮感漂うマキシムを見ると、わたしと同じように、助けてあげたい、守ってあげたいと思ってしまいます。
歌とせりふを交互に、迫真のパフォーマンスでした。よく通る美声なので、せりふも美しく、力強くて説得力がありますね。
「審問会」マキシムと判事の会話の場面が多いので、ストレイトプレイを観ているようでした。
祐一郎さんはドラマの経験も豊富なので、せりふがしっかりと聴き取れますし、せりふ回しが美しいですね。
わたしが気を失うところは、映画ではマキシムの腕の中に倒れこみますが、舞台は床に倒れるのですね。
「彼女の真実」お医者さんの電話で、レベッカががんだったことがわかり、真実を知ったマキシム。
最初、がんだったと聞いた時は、ショックを受けたような悲しい顔ですが、レベッカの自殺で、自分の無罪が証明されると分かると
少し嬉しそうな表情に変わります。難しい場面ですが、祐一郎さんは繊細な表情でとても上手に表現していました。

カーテンコールは、俳優さんたちのほっとしたようなお顔が見られるのが楽しいですね。
お稽古の苦労も、観客の暖かい拍手があるので、乗り越えられるのかもしれませんね。
祐一郎さんは、両手を膝につけて深々とご挨拶をされてますが、お行儀が良くて素敵です。
今回もカーテンコールは3回でしたが、舞台袖でにこにこされている祐さまは、やっぱり魅力的。
観劇も後1回になりました。大好きな「レベッカ」の舞台の観納めなので、しっかりと心に留めておきたいです。


レベッカ   REBECCA

演出 山田和也
脚本 歌詞 ミヒャエル・クンツェ
音楽 シルヴェスタ・リーヴァイ
出演 マキシム 山口祐一郎   わたし 大塚ちひろ   ダンヴァース夫人 シルビア・グラブ
    フランク 石川禅   ファヴェル 吉野圭吾   ヴァン・ホッパー夫人 寿ひずる
    ベアトリス 伊藤弘美   ベン tekkan   ジュリアン大佐 阿部裕   ジャイルズ KENTARO
観劇日 2010・4・21 マチネ 帝国劇場

8日は電車が遅れて、開演に間に合うかどうか心配しましたが、今回は余裕を持って劇場入りすることができました。
劇場内では、クラリネット奏者が熱心に練習していました。みんなで舞台を創造するのって、きっと楽しいでしょうね。
開演前は、今日はどんな舞台なのかしらといつもわくわくします。1階前方の席でしたので、臨場感のある舞台でした。
今回は「TDV」のキャストが5人出演していますので、昨年の夏の公演を思い出してしまいました。
スポットライトのような照明が、各場面で効果的に使われていてきれいでした。2階席だともっと美しいと思います。
“R”の文字のどん帳が上がると、暗いお屋敷の門が現われ、鳥の鳴き声と潮騒の音が聞こえてきますが
火事で焼け落ちたお屋敷という設定なんですね。この場面は5分くらい続いて(長く感じられます)
ちひろさんが「プロローグ 夢に見るマンダレイ」を歌い終えると、暗いお屋敷から明るい色彩の
ホテルのロビーに変わってほっとします。マキシムとわたしが出会う大切な場面ですね。

大塚ちひろさん
どの場面でも全身全霊で歌って、素晴らしいですね。場面毎に衣装替えがあるので大変だと思います。
時々涙を浮かべている場面がありましたが、歌っている時に、感情移入されているのでしょうね。
「永遠の瞬間」マキシムにキスをされて、彼に恋心を抱いても一緒になれない心情を
透明感のある美しい声で切々と歌っています。歌詞が詩情に溢れて素敵ですね。
この歌の後に、マキシムにプロポーズされます。マキシムの腕の中に飛び込んでいきますよ。
「親愛なる親戚!」お屋敷を訪ねてきたマキシムの姉夫婦とわたしの三重唱です。
わたしを真ん中にして、ベアトリスとジャイルズがステップを踏みながら、歌って踊る楽しいトリオです。
歌も楽しいですが、3人のステップが軽やかで素晴らしいです。ちひろさんはダンスもとても上手ですね。

シルビア・グラブさん
シルビアさんはいつも堂々として力強いので、ダンヴァース夫人ははまり役かもしれませんね(笑)
涼風さんが女性特有のウェットな怖さがあるなら、シルビアさんは男性的でドライな怖さでしょうか。
でも素顔はいつも笑顔の優しい方なので、役柄とはギャップのある方なんでしょうね。
「何者にも負けない」あでやかなカトレアをいとおしむように歌う姿は、今は亡きレベッカと重なります。
歌も演技もすごみがあって、眼力があるので本当に怖いです。やはり涼風さんとは違う怖さがありますね。
アルト音域の声なので、ダンヴァース夫人の威圧するような歌を自然に表現していて素晴らしいです。
「レベッカT」冒頭の影の声の“レベッカ”が不気味ですが、シルビアさんは高音域も美しく歌っています。
最後まで緊張感が失われないで、まるでレベッカが今でも生きているかのような迫力がありますね。

伊藤弘美さん
マキシムのお姉さん役です。レベッカの影に怯える不安なわたしに優しく接してくれるので、頼りになる存在ですね。
伊藤さんは初めて拝見しましたが、素顔もお姉さんと呼べるような包容力のある女優さんではないかしら。
「何を悩む」お屋敷で心細いわたしを勇気づける、とても感動的な歌ですね。歌詞がわからないのが残念ですが
ドラマチックで歌唱力が要求される歌だと思います。全身で音楽を表現して、声ものびやかで美しかったです。

吉野圭吾さん
吉野さんはどうしても「TDV」の印象が強いので、ヘルベルトの役と重なって困りました(笑)
ファヴェルはあくが強そうですが、彼にしか表現できないパフォーマンスはとても魅力的です。
「持ちつ持たれつ」ダンスのセンスが抜群ですね。軽やかなステップに釘づけです。
長身なので、スーツ姿がお似合いですし、歌もダンスも自信に溢れていて、のびやかに演じています。
フレッド・アステアのミュージカルを見ているようで、とても楽しかったです。

山口祐一郎さん
8日よりも歌、パフォーマンス共に素敵さがアップしています。いつも感情はあまり出さないけれど
わたしと一緒にいる時は表情が穏やかで、チェスをしているシーンなどは、ほんとうに優しいだんな様。
でも海辺の小屋にいるわたしを見つけた時、レベッカと同じドレスを着ているわたしを見た時の怒り方がとても怖いけど好き。
「幸せの風景」わたしがスケッチをしているのを覗くと、「まだ見ないで!」と言われて、おどけて後ずさりするところが可愛いです。
感情は内に秘めて淡々と歌っていますが、歌声は甘くてうっとり。聴く人の心にす〜っと入ってきて、余韻が心地良く残ります。
「神よ なぜ」トレンチコート?に帽子姿が絵になりますね。過去を忘れたい、わたしに救われたいと思う気持ちが交錯して
怒りの感情を爆発させるような激しい歌ですね。“過去など乗り越えて”が力強かったです。
ラストの「炎のマンダレイ」でも焼け落ちるお屋敷の前で、男らしく堂々と歌って素敵。
「凍りつく微笑み」レベッカの死の真相をわたしに告白する歌です。気迫のこもった歌声が圧巻でした。
転調しているところが何回もあるので、とても難しい歌だと思います。祐一郎さんの歌の力量をあらためて知りました。
目を大きく見開いてすごみがあって、舞台上でたゆたっている…そんな印象を受けました。
告白後「まだ私を愛しているのか?」「愛しているわ」とお互いの愛を確かめ合う場面は、ミュージカルのハイライトシーンですね。
祐一郎さんの歌は安定しているようで、どこかしらどきどき感があるところが魅力ですね。舞台の生の歌を聴くのは至福のひとときです。

暗い場面が瞬時に炎に包まれたお屋敷に変わるところは、衝撃の結末に相応しい迫力ですね。
額が飾られていますが、レベッカの絵はなく、レベッカの幻影が存在しているように思えました。
カーテンコールは全員でご挨拶の後、もう1回あっただけなので、ちょっと淋しかったですが
1回目の時に祐一郎さんは、舞台袖で客席に向かってにこにこしてくださったので、前方のお客さまは喜んでいました。
いつもちひろさんと腕を組んで、くるっと1回転して帰って行かれるのが微笑ましいです。
帰りの電車は通勤ラッシュで座れなくて、メモを取れなかったので記憶が曖昧です。次回は2幕をしっかり観たいです。