エリザベート ELISABETH

演出 小池修一郎
脚本 歌詞 ミヒャエル・クンツェ
音楽 編曲 シルヴェスター・リーヴァイ
出演 エリザベート 瀬奈じゅん   トート 山口祐一郎   ヨーゼフ 岡田浩暉
    ルキーニ 高嶋政宏   マックス 今井清隆   ゾフィー 杜けあき   
    ルドルフ 古川雄大   ルドルフ(少年) 鈴木知憲
観劇日 2012・5・15 マチネ 帝国劇場

「エリザベート」は、2008年、2010年に続き、3回目の観劇なので、とても楽しみにしていました。
今まで、いろいろな作品を観てきましたが、「エリザベート」ほど完成された舞台はないと思います。
どの俳優さんも、たくさんの経験を積まれてきた歌と演技は、自信に溢れていて素晴らしかったです。
でも決して、慣れのようなものは感じられず、作品への深い愛情が伝わってきました。
すぐにレビューを書きたかったのですが、体調のことなど事情がありましてできなかったです。
今回は、レビューというより、俳優さんや舞台の印象など、記憶の範囲で感想を書きます。

高嶋政宏さん
冒頭の叫び声から全力投球の演技ですね。難しいキャラクターですが、安定した演技と歌で
舞台の進行役を務めていました。悪人っぽいせりふや演技は、すごみがあってやはり素晴らしいです。
歌は少ないですが、その中でも「計画通り」がちょっと茶化した感じが良く出ていて、楽しめますね。
公演回数が多いので、どの場面もリラックスして、高嶋さん自身も楽しんで演じていますね。

岡田浩暉さん
初めての俳優さんですが、若々しいヨーゼフでしたね。いつも背筋を伸ばして、姿勢が良かったのが
印象に残っています。途中から老け役のメイクをすると、年相応になってくるのがすごいですね。
存在感があるというよりは、すっと自然に舞台に溶け込んでいて、好印象を受けました。

古川雄大さん
ルドルフは新人の登竜門と言われるだけあって、どの俳優さんも役への意気込みが伝わってきます。
古川さんは、長身で端正な顔立ちの上品な感じのルドルフでした。パフォーマンスも過度ではなくて
歌は素直な表現が素敵だなと思いました。必死な場面は、歌や演技の迫力が少し足りないように思いました。

杜けあきさん
杜さんは2008年の時も演じています。ゾフィーは少し怖いというか、嫌われ役ですが、杜さんの持っている
キャラクターが優しいので、そんなに怖くないですね(笑) 皇后役なので低い声で話しますが、美しいお声ですし
どんな立ち振る舞いも落ち着きがありますね。お歌も安定していて、すごみを効かせたような表現も上手です。

瀬奈じゅんさん
瀬奈さんは、2010年の時に演じていますので、拝見するのは2回目です。大好きな女優さんです。
エリザベートは自由奔放で個性的な女性だと思いますが、瀬奈さんは優しくて、男性に好かれる
可愛いエリザベートですね。前回はきびきびとした演技が印象的でしたが、今回はもっと女性らしく
繊細に演じて素敵でした。せりふの激しいところと穏やかなところのめりはりが効いていますね。
歌は、難しいところになると、より歌唱力が増すのは、素晴らしいです。横になったり、ダンスをしたり
走り回ったりしながら歌うのは、ほんとうに大変だと思います。訓練の賜物でしょうね。

山口祐一郎さん
2008年、2010年のトートさまと比較しようと意気込んでいましたが、始まるとそんな余裕はなくて
オペラグラスでお姿を追うのが、精一杯でした。でも最初の印象は、前回よりお若い!でした。
髪型(サイドの髪を耳の後ろにかける)のせいかもしれませんが、表情が若々しく輝やいて
明るくて可愛いトートさまでした(笑) こういうのって、ファンにとっては嬉しいことですね。
「私を燃やす愛」トートさまが乗ったゴンドラから“天使の歌は喜び”という歌が響いてくると
舞台の様相が妖しい雰囲気に包まれます。それまで賑やかな舞台が一変するところが好き。
「愛のテーマ 愛と死の輪舞」冒頭のオーボエの前奏から大好きですが、トートさまが
「エリ〜ザベー〜ト」と歌い出すシーンで私はファンになりました。
今までに、これほど美しいお声を聞いたことは、なかったですね。ある意味、衝撃でした。
今回も、艶やかで包容力があって、秘めた力強さもある歌声は健在でした(喜)
「最後のダンス」この歌は、体力、気力が充実していないと歌えないので、いつも大丈夫かしらと心配です。
でも今回も迫力があって、全身全霊で帝王の威厳を歌とパフォーマンスで表現していて、圧巻でした☆
階段の中段で、最後のクライマックスに向かう場面の弾むような歌とダンスは、余裕すら感じましたよ。
2幕の方は6月6日のレビューに書きたいと思います。

カーテンコールは何度見てもいいですね。それまでの緊張感がなくなって、舞台と客席が一体になります。
俳優さんたちが、一人ずつご挨拶されるのも楽しみです。祐一郎さんはベテランらしく、ゆっくり堂々と
登場されるのがとても素敵で、いつも見とれてしまいます。最後に瀬奈さんと手をつないで、見つめ合うところも
ちょっと焼けますが、微笑ましいです。祐一郎さんが瀬奈さんに向かって手をつなごうとすると、瀬奈さんが
拍手で祐一郎さんを讃えて、おふたりが一緒に微笑んでいたのが素敵。客席からも笑いが起きていました。
体調はそれほど良くなかったですが、久しぶりの帝劇の舞台は、とても楽しかったです。

エリザベート ELISABETH

脚本 小池修一郎
脚本 歌詞 ミヒャエル・クンツェ
音楽 編曲 シルベスター・リーヴァイ
出演 エリザベート 春野寿美礼   トート 山口祐一郎   ヨーゼフ 岡田浩暉
    ルキーニ 高嶋政宏   マックス 今井清隆   ゾフィー 杜けあき
    ルドルフ 平方元基   ルドルフ(少年) 坂口湧久
観劇日 2012・6・6 マチネ 帝国劇場

最近は、体調のこともあり予定も多いので、6月のチケットは購入していませんでしたが
5月15日の舞台が、素晴らしかったので、帰りに春野寿美礼さん出演の6日のチケットを購入しました。
楽しみにしていましたが、5月中旬頃から歯の炎症が始まって、6日はかなり体調は良くなかったです。
1幕は、眠くて集中できませんでしたが、休憩中に痛み止めを飲みましたら少し楽になって
2幕は少し楽しめたかなと思います。でもやはり、万全の体調で観た方が絶対に良いです。
メモは全然取れなかったので、今記憶にある場面や、印象に残っている俳優さんのことを書きます。

今井清隆さん
今井さんは、「パイレート・クィーン」での素晴らしい歌声が、今でも印象に残っています。
今回はエリザベートのパパ役ですね。祐一郎さんとは、また一味違った美声を持っている方で素敵です。
重量感と温かみのあるお歌の中に、お人柄の良さも伺えるので、癒される方でもありますね。
「パパみたいに」では春野さんと息の合った、美しいハーモニーのデュエットが心に残っています。

平方元基さん
やはり初めての俳優さんです。若くて甘いマスクなんですが、どこかきりりとした風貌がとてもチャーミング。
立ち姿もきれいで、素直で美しい歌い方も素敵だな〜と思います。必死な場面も、どこか泰然としていますね。
「闇が広がる」では、少し物足りないところもありましたが、落ち着いた立ち振る舞いは、大物を予感します。

春野寿美礼さん
初めてのエリザベート役の女優さんなので、楽しみでした。第一声を聞いた時に、澄んでいてよく通るお声だなと
思いました。お歌はやはり素晴らしくて、ビブラートの効いた歌い方は、独特ですね。
声量はあるのに、繊細で上品に歌える方って、そんなに多くはいないと思います。笑顔が可愛い方ですね。
「私だけに」は、のびやかで激しいところの表現も上手ですし、音程もしっかりとしているので、安心して聞けます。
ラストの“私に〜〜!”は迫力があって力強く、今までで一番心に響きましたね。春野さんを観ることができて良かったです。

山口祐一郎さん
今回も、安定していて、貫録がありました。でも安定感があると、どきどき感が薄れるようにも思うので、難しいですね。
祐一郎さんは、ハラハラ、ドキドキさせてくれるところが魅力なので、そういうところは大切にしていただきたいです(笑)
「私が踊る時」祐一郎さんと春野さんは、相性が良いので、デュエットも美しくて素敵でした。
普通の人間っぽい感じで、明るいトートさまが楽しめる唯一の場面なので貴重ですね。
「微熱」この日は私も微熱がありました(笑) 甘美な場面、ダイナミックな場面がある中で、静かで何が起きるのか
分からない不気味さがありますが、大好きな場面です。せりふもちょっと際どいですね。
「最後のチャンス」この場面も大好きです。春野さんの“命を絶ちます”のせりふが真に迫っていたので
祐一郎さんの“それがいい、エリザベート”がいい感じでつながっていました。帽子を脱いだ後のデュエットも美しいです。
「闇が広がる」祐一郎さんと平方さんのデュエットですが、やはり終始トートさまが主導権を握っていましたね。
1幕では「最後のダンス」が圧巻の場面ですが、2幕では「闇が広がる」がやはり重要な歌だと思います。
歌とパフォーマンスが美しく融合しているので、引き込まれる場面ですね。
「独立運動」は、ルドルフの歌もコーラスも大好きですし、トートさまのソロも魅惑的です。
音楽が独特なので、ダンスシーンもわくわくしますね。トートさまのダンスは何回でも観たいです。
「悪夢」トート帝王の指揮をする所作がかっこいいですね。どんなパフォーマンスも魅せてくれます。
今回、ハプスブルグ家のほとんどの人が彼によって殺されているので、本当に死神なんですね。
それだけ、トートさまは魅力的でなければいけない、まさに闇の帝王なんだな〜と、改めて思いました。

2008年と2010年の時の比較や、舞台装置、俳優さんの表情など、ちゃんと見れなかったのが残念です。
今回の病気は、自分では防げなかったことなので、仕方がありませんが、無理をしてでも来て良かったです。
キャストが変わると、舞台の雰囲気や印象も変わるのが楽しいですし、初めての俳優さんの演技は新鮮です。
でも今回は、なんと言っても、祐一郎さんの若々しさと美しく響く歌声に感動した「エリザベート」でした。
回を重ねると、どうしても雑になってしまいがちですが、どの歌も、場面も丁寧に心を込めて演じていらっしゃる姿は
本当に素晴らしいと思います。ファンとしても、応援のし甲斐があります。誇らしい気持ちでいっぱいです。
これからも、長く長く俳優さんを続けて、魅力的な舞台を続けていただきたいと思います。