パイレート・クィーン   The Pirate Queen

演出 山田和也
脚本 アラン・ブーブリル 
    クロード=ミッシェル・シェーンベルク 
    リチャード・モルトビー,ジュニア
音楽 クロード=ミッシェル・シェーンベルク
出演 グレイス 保坂知寿   ティアナン 山口祐一郎   エリザベス一世 涼風真世
    ドゥブダラ 今井清隆   ビンガム卿 石川禅   ドーナル 宮川浩
観劇日 2009・11・30 マチネ 帝国劇場

「パイレート・クィーン」とても楽しみにしていました。上演前から客席は期待と熱気が感じられましたね。
日本初演、今年の帝劇最後の舞台に相応しい、華やかで楽しいミュージカルでした。
キャストは日本を代表する俳優さんたちなので、落ち着きのある、素晴らしい歌声と演技を堪能することができました。
舞台は華やかですが、派手すぎなく、地味すぎない上品なミュージカルで、観ていて心地良かったです。
帆船や回り舞台ですべるように航海している「海賊の女王号」もとても美しかったです。
そしてアイルランド独特の音楽に合わせて踊られるアイリッシュダンスは、映画「タイタニック」でも良く知られていますね。
楽しいステップに、最後は客席も手拍子で応えて一緒に楽しんでいました。もちろん私もです。
ストーリーは、女性でありながら祖国を守り抜いたアイルランドの海賊の女王、グレイス・オマリーの波乱の人生が描かれます。
座席は1階の後方でしたが、中央の見易い位置でした。今日もオペラグラスが重宝しました。
初めての曲、歌が多かったので、今回は俳優さんのレビューを書きます。

プロローグ
きれいなブルーの緞帳がやがて、アイルランドの国章とイングランドの国旗に変わり、素敵な演奏が始まります。
笛とバイオリンの独奏は、アイルランド独特のメロディーで、少し哀愁をおびていますね。

保坂知寿さん
祐一郎さんと以前、共演されているのですね。初めて拝見する女優さんなので、興味津々でした。
男勝りで活発なグレイス、そんな女性を華奢な保坂さんは全身全霊で表現していました。
いきなり、ロープで空中を飛んだり、嵐が来た時には帆船を救ったりして、男顔負けです。でもとてもキュート!
声量のある歌声には引き込まれますね。低音も高音も美しいです。
「女って」男性に縛られて生きるのは嫌、自由に行きたいと力強く歌って素敵です。
「今 ここから」ティアナンとのデュエットです。濃厚なラブソングというよりは、清楚な感じのデュエットですね。

涼風真世さん
とても美しくて、見てるだけで絵になるエリザベス一世ですね。イングランドを立派に統治している威厳にあふれています。
高音域が要求される難しい歌を、見事に歌っていました。高音の響きが美しく延びがあって、聴き惚れてしまいました。
「女王の務め」力強さの中にも、涼風さんの可愛らしくちょっとコケティッシュなところが生かされた素敵な歌ですね。
登場ごとにドレスと髪型が変わって、見ているだけで楽しいです。着替えが大変だったでしょうね。

今井清隆さん
とても風格があって、グレイスの父親役がよくお似合いです。赤いマントの衣装も素敵。
ひとり娘グレイスをこよなく愛している心情が、歌と演技に込められていて素晴らしいです。
勇敢な娘を誇りに思う一方、将来が心配なパパ、ドゥブダラ。いつの時代でも父娘の愛情は強いのですね。
「わが娘よ」男勝りな娘が自由を求めてはばたくことを許す歌です。バリトンで男らしく歌って心に迫ってきます。

宮川浩さん
宮川さんは「ローマの休日」で、祐一郎さんと共演されていますね。おふたりのデュエットは今でも忘れられないです。
グレイスと政略結婚をする、ちょっと嫌味な役をさらりと演じて素敵でしたよ。ちょっと哀れな男性ですよね。
祐一郎さんと戦うシーンがありますが、剣さばきも見事で男らしかったです。
宮川さんの歌は荒削りな魅力があったと思いますが、今回は落ち着きのある歌声で素晴らしかったです。

石川禅さん
女王の側近役で、野心家だけど忠実な臣下をちょっとユーモアを交えて演じて素敵です。
女なんてみたいな態度の時はジャベールのようで、おどけるようなところはアブロンシウス教授と重なってしまいます。
禅さんは、ドラマチックな歌がお上手なんですね。TDVの時はとても軽妙な歌とせりふが多かったので意外でした。
今回はこちらも緊張していましたので、次回の観劇では、禅さんの歌をもう少し集中して聴きたいと思います。

山口祐一郎さん
海賊という今までにない役なので、役作りが大変だったでしょうね。マストに駆け登ったりして、とても若々しい祐一郎さんです。
グレイスと恋をしている喜びが表情に現われて、笑顔のティアナンが素敵。純粋に愛し合ってる姿はいいですね。
最初、高音の声が聴こえてきて、誰かしらと思いましたら、ティアナンでしたのでちょっとびっくりしました。
「今 ここから」包容力があって優しいラブソングですね。祐一郎さんの表現力が生かされた歌ですね。
「君のそばで」グレイスが結婚をして離れていっても、いつも君を守り、支えていこうという歌です。
力強く男らしくグレイスへの熱い思いが込められていて、本当に素敵でした☆ ダイナミックな歌声が今も心に残っています。
「愛しているといえたなら」切ないけれど歌詞が素敵。ティアナンが今もグレイスを愛していると告白する歌ですね。
最初はスローテンポでバラード風に歌われています。祐一郎さんの美声と音楽性が生かされた美しい歌ですね。
どの歌も素晴らしかったので、次回の観劇がとても楽しみです。

最後はアイリッシュダンスで舞台と客席が一体になって楽しかったですね。TDVの時を思い出しましたよ。
カーテンコールは、3、4回ありましたが、客席が明るくなっても拍手が鳴りやまなかったです。
祐一郎さんは終始、笑顔で楽しそうに客席に手を振っていました。ティアナン役を楽しんでいらっしゃるので嬉しいです。
一幕も二幕も、出演シーンは多いので、祐一郎さんのファンにとっては幸せな舞台だと思います。

次回は、もっと細部にも気を配りたいですし、歌や演技をしっかりと楽しみたいと思います。


パイレート・クィーン   The Pirate Queen

演出 山田和也
脚本 アラン・ブーブリル
    クロード=ミッシェル・シェーンベルク
    リチャード・モルトビー,ジュニア 
音楽 クロード=ミッシェル・シェーンベルク
出演 グレイス 保坂知寿   ティアナン 山口祐一郎   エリザベス一世 涼風真世
    ドゥブダラ 今井清隆   ビンガム卿 石川禅   ドーナル 宮川浩
観劇日 2009・12・21 マチネ 帝国劇場

2回目の観劇後、どうしてももう1回観たいと思い、帝劇でチケットを購入しました。
忙しい時期なので少し迷いましたが、観劇できて良かったと思います。
2階席でしたので舞台全体がよく見渡せて、1階では味わえない楽しさがありますね。
舞台がお盆のようになっていて、船の航行や場所の移動では、ゆっくりと回っているのがよく見えました。
照明も2階席の方が視野が広いので、色鮮やかなライトの演出がしっかりと見られて、とても綺麗でしたね。
オーケストラはハープやギター、シンゼサイザー2台、ドラムなどで編成されていて、演奏者もよく見えました。
プロローグでは冒頭のティンペニーホイッスル奏者の清水直人さんとバイオリンの菊池幹代さんの演奏が素敵。
場面毎に美しく哀愁漂うメロディーが演奏されて、16世紀のアイルランドへ連れていってくださいます。
ブライアン・シナーズさんの小気味良い太鼓と、コナー・オサリバンさんのダンスの競演が素晴らしいです。
曲とタイトルが一致しないのが残念ですが、心に残った曲の感想を少し書きます。

「今 ここから」知寿さんと祐一郎さんのデュエットは、何回聴いても素敵ですね。
グレイスのまっすぐな気持ちに、ティアナンはふわっと包み込むような優しい歌で応えています。
ラブソングをこんなふうにうっとりするように歌えるのは、祐一郎さんしかいないと思います。
ライトが舞台全体に降り注いで、ほんとうにきれいでした。ロマンティックな演出ですね。
「万歳 陛下」女王の朝の身支度の後に幕前で歌われますが、男性陣のボーカルが美しいです。
リズムとハーモニーの調和が小気味良くて、声質も柔らかいので心地良くて楽しいです。
ビロードのような素材の赤い衣装も美しくて、幕前でのパフォーマンスは素晴らしかったです。

「君のそばで」大好きな歌なので、CDで何回も聴きたいです。
最初の「耐えろと言うのか、忘れろと言うのか」の切ない、悲しい気持ちが秘められているところが好き。
「どんなに孤独でも、辛くても、君を守り抜こう」と決意が感じられるような力強い歌声は心に残りますね。
ラストは今日も力強くドラマチックでしたよ。終わって舞台奥に走っていくところも好きです。
「愛していると言えたなら」ティアナンとグレイスのデュエットですが、最初は近くに相手がいても
それぞれがひとりで歌っているようで、やがて相手の存在に気づいて…と粋な演出になっています。
「今 ここから」は明るくて幸せなデュエットですが、こちらは幻想的な感じのデュエットですね。
「この命を」茶色のマントにすっぽり包まれて、目を伏せてうつむいたまま、つぶやくようにささやくように歌っています。
聴く人の心にす〜っと入ってきて、しっとりと歌うティアナンに引き込まれます。独特の空気感を感じますね。

「ひとを愛する女こそ」エリザベス女王のソロ、グレイスのソロ、二人のデュエットが素晴らしいです。
女王が、投獄されているグレイスが羨ましいと歌っています。ひとりの男性に思われるって幸せなんでしょうね。
投獄されているグレイスは、レースのカーテン越しに見えて、牢屋の格子模様が陰になっていてとても幻想的。
涼風さんの透き通った歌声と保坂さんの力強い歌声が忘れられないです。
デュエットでは、女性同士の固い結束が感じられて、心に迫るものがありますね。
「女同士で」グレイスが女王に謁見する歌です。自分の祖国の事情を説明して、今こそ女の立場で国を作りたいと願う
グレイスの歌声が心に響きます。女王も彼女の気持ちに賛同して応えたいと歌っています。
カーテンの奥で二時間の話し合いが始まります。ミュージカルのハイライトのシーンですね。

アイリッシュダンスは、嬉しい時苦しい時、みんなで踊ってともに人生を謳歌しましょうというダンスなんですね。
激しいというよりは、人の鼓動に近いリズムなので、観てるこちらも心地良くて癒されます。
カーテンコールは何回もあって、今日も客席が明るくなっても拍手が鳴り止まず、もう1回ありました。
祐一郎さんと宮川さんと今井さんが腕を組んで、ニコニコして出てこられたので、客席は大喜びでした。。
祐一郎さんは、歌や演技はもちろん素晴らしいですが、舞台に存在してるだけで観客を魅了する方ですね。
50歳代で、可愛いと思わせる俳優さんって、とても貴重な存在だと思います。
いつまでも、ふわっと優しいオーラを、私たちファンに降り注いでくださいね。
今年の私のミュージカルの観納めは、素晴らしい舞台「パイレート・クィーン」でした☆




パイレート・クィーン   The Pirate Queen

演出 山田和也
脚本 アラン・ブーブリル
    クロード=ミッシェル・シェーンベルク
    リチャード・モルトビー,ジュニア
音楽 クロード=ミッシェル・シェーンベルク
出演 グレイス 保坂知寿   ティアナン 山口祐一郎   エリザベス一世 涼風真世
    ドゥブダラ 今井清隆   ビンガム卿 石川禅   ドーナル 宮川浩
観劇日2009・12・15 マチネ 帝国劇場

2回目の観劇ですが、公演は中盤から後半に入っていますので、舞台は前回より落ち着いて引き締まっていました。
ブルーの緞帳は帆船の帆になっていて、帆が揺れてさざ波のようになってきれいでした。パンフレットの表紙と同じですね。
オーケストラは舞台の奥で一段低くなっているところで演奏するので、今までのオケピとは一味違うステージです。
ギターや笛などが多かったように思います。ハープは大きいので良く見えました。
アイリッシュダンスは、上半身はほとんど動かさないで、足技を楽しむダンスなんですね。
ダンサーの方たちの足首が柔軟で、滑らかに動くので見とれてしまいました。太鼓のリズミカルな演奏も楽しいです。
ベテランの俳優さんたちの歌も演技も存在感がありますし、それぞれの方の持ち味が違うので、とても楽しいです。
16世紀のアイルランドは戦国の時代なので、舞台はは激しい戦いの場面が多いかなと思いましたが、そうでもなくて(笑)
戦闘のシーンはスローモーションだったりと意外とおっとりしてますね。演じてる俳優さんは、大変だと思いますけれど。

保坂知寿さん
30日の時よりも、声がよく響いて、歌も演技も一回り大きく見えました。
高音になっても延びがありますし、全身で気持ちを表現されるので、こちらも高揚しますね
結婚式の時のアイリッシュダンスはとてもお上手で、軽やかなステップを披露されていました。
ドレスはグリーン、茶色系でコットンのような素材でデザインもシンプルですね。
「女同士で」涼風さんとのデュエットが素晴らしくて、聴き惚れました。ハーモニーが美しいです。
冒頭のソロは透き通った声でしっとりと歌っていて素晴らしいです。女同士、分かり合える何かがあるのでしょうね。

涼風真世さん
宮殿はほとんどカーテンだけのセットですが、それだけで十分豪華な雰囲気が出ていますね。
ドレスは白色からハート模様の黒、金色、赤色で素材は柔らかいシルクやレースなので美しいです。
「女王の朝」ガウンを脱いでペチコートになって、金色のドレスへと変身する場面は見惚れましたね。
涼風さんの歌は高音が多くて大変なのに、女王としての威厳と美しさを保ちながら歌うのは至難の業だと思います。
繊細だけど芯のあるお声なので、客席までよく通って、きれいに響いているのはさすがですね。
女王が歩く時の足の上げ方が面白いですね。ドレスを踏まないためなんでしょうか?

今井清隆さん
最初のアイルランドの船のシーンで颯爽と登場されるのが、やはりとても印象的です。
今井さんも美声で、祐一郎さんとはトーンが違いますが、普段もバリトンのいいお声でお話されていますね。
結婚式では、保坂さんと一緒にアイリッシュダンスを上手に踊っていましたよ。ステップは難しそうですね。
死の床の場面は、経験がある人はより感情移入できますね。父親を尊敬していたグレイスの悲しみは大きいと思います。

宮川浩さん
やはり荒削りで男風を吹かすような役が上手ですね。「ローマの休日」でも男っぽさが魅力的でした。
「男は男」宮川さんらしさがよく出ていて、聴かせてくださいましたね。
グレイスを自分の支配下に置こうとする歌ですが、嫌味な感じがとてもよく出ていました。
「父の立会いを」父親の愛情を感じさせるような歌でしっとりと歌っています。
息子は自分の子供でもあるから会わせてほしいと懇願してますが、やはり子供への愛情は強いのですね。

石川禅さん
役柄によって別人のようで、芸達者な方ですね。普段の石川さんと、舞台のビンガム卿が同じ人とは思えないです。
歌とタイトルが一致しないのですが、どの歌も素晴らしくとてもダイナミックで力強くて、圧倒されます。
女王とのやりとりは、内容は深刻でもユーモアで味付けされているので、楽しいですね。
グレイスにお色気で迫られてる場面のパフォーマンスも素晴らしいです。この場面は結構どきっとしますね。

山口祐一郎さん
冒頭の船上での明るい笑顔とパフォーマンスに、こちらもつい微笑んでしまいますね。
グレイスの政略結婚が決まる頃から、悲しい表情が多くなりますが、生まれた子供を見つめる時の表情がいいですね。
「今 ここから」感情を少し抑えて歌っていますね。デュエットの時、祐一郎さんはいつも少し控え目に歌っていて素敵。。
船首でおでこをくっつけたり、手をロープで結んで結婚を誓いあったりして、タイタニックしてますね〜。
グレイスが「女って」を歌ってる時、岩陰で横になって彼女をじっと見つめてる視線がなんか好きです。
「君のそばで」ほんとうに素晴らしかったです。最初は静かにしっとりと歌っていますが、ラストに向かって緊張感が増して
最後の“どんな日も”はTDVの1幕のラストのようでしたよ。客席の拍手も大きかったので、嬉しかったです。
「この命を」柔らかな声質で優しく歌っています。自分の命と引きかえにグレイスの釈放を願うのは
「彼を帰して」に通じるものがありますね。相手を思う気持ちを込めた歌が、ほんとうに上手ですよね。
釈放された時はキリストのような風貌でしたが、グレイスと再会して、抱き合うシーンはじーんとしてしまいました。

最後にダンサーの方たちが、舞台横一列に並んで踊られるアイリッシュダンスが綺麗でした。
祐一郎さんはダンスには参加していませんが、最後は一緒にステップを踏んでいましたよ。
TDVの時は社交ダンスを優雅に踊っていらしたので、アイリッシュダンスもちょっと見てみたいかもです。
カーテンコールは3回ほどあって、客席が明るくなっても拍手が鳴り止まないので、もう1回ありました。
舞台の袖に入る時は、祐一郎さんは手を大きく振って、笑顔でバイバイをしてくださいました。
来週の観劇は、今年の祐一郎さんの歌の聞き納めなので、しっかりと心に留めておきたいなと思います。